■辰巳ダム日誌 | |||
辰巳ダム日誌(2010年4-6月) 目次 ◆2010.4.23(金) 辰巳ダム裁判第11回口頭弁論開催 ◆2010.5.26(水) 辰巳ダム裁判進行協議(勉強会)開催 ◆2010.7.16(金) 辰巳ダム裁判第12回口頭弁論 ◆2010.6.17(木) 辰巳ダム建設事業の買収用地の「土地代金」非公開についての異議申し立て |
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【辰巳ダム日誌】2010.4.23(金)辰巳ダム裁判第11回口頭弁論(予定) 辰巳ダム裁判第11回口頭弁論は、2010年4月23日午前11時半から、金沢地方裁判所第1号法廷で開催された。原告、被告ともに15名、傍聴者20数名。 被告からは第11準備書面(治水の反論)、原告からも第11,12,13準備書面(地すべり、自然環境、利水、代替案)、文書提出命令(自然環境)が提出された。文書提出命令の返答の提出期限は5月24日。5月26日の進行協議(勉強会)について、具体的な事項を質問形式で来週中に裁判所で用意するとのこと。 【辰巳ダム日誌】2010.5.26(水) 辰巳ダム裁判進行協議(勉強会)開催 金沢地方裁判所大会議室で14時30分から2時間の予定で開催された。出席者は裁判官6名、原告16名、被告16名の合計38名。裁判所から原告、被告双方に説明する事項についての案内(文書「進行協議について」平成22年5月7日付け)があり、これらの事項について双方が説明をすることになっていた。被告側の説明が、パワーポイントによるプレゼンテーションで2時間ほどかかるということで、今回は、被告側の説明だけが行われた。原告側の説明は、次回進行協議期日(勉強会)8月11日14時から16時に延期されることになった。 専門的事項について確認し、双方の理解に齟齬がないように確認するために行われたものである。特に疑義があれば、ペーパーで提出するようにとのことであった。 文書「進行協議について」の第2でも記載があった、原告第7,10準備書面に対する被告側の反論について、7月30日提出期限とされた。 被告は、河川課の担当者(未確認)が、「犀川の基本高水ピーク流量について」というタイトルのプレゼンテーション資料(26ページ、辰巳ダム訴訟資料箱に収納してあるが大容量なので注意!)を大画面で紹介しながら、説明をした。原稿を棒読みで、説明が専門用語の連続で若干、わかりにくい説明であった。専門的知識のない素人にはかわりにくい説明であった。 説明の後の休憩後、原告側から、2つの点について質問をした。一つは、年超過確率100分の1とは「100年に一回程度発生する規模の降雨」かということに対して、わかりやすく、正確にいうと、「100年に1回よりももう少し多く発生する規模の降雨」ではないか、ということ、もう一つは、棄却基準をジャックナイフ推定値にジャックナイフ推定誤差を加算して決めているが、説明図によれば過大に加算しているのではないか、という点であった。後者については、被告が確答できなかったため、次回に釈明することとなった。 【辰巳ダム日誌】2010.7.16(金) 辰巳ダム裁判第12回口頭弁論 辰巳ダム裁判第12回口頭弁論は、2010年6月16日(金)午前11時半から、金沢地方裁判所第1号法廷で開催された。原告10名、被告13名、傍聴者30数名。 被告から5月24日づけで「文書提出命令申し立てに対する意見書」が提出された。 8月11日に原告の治水専門事項の説明会が実施されることが確認された。争いのないところで調書化したいとのことであった。説明の際のプリントは1週間前に提出することが求められた。地すべりに関して原告の反論は、次回の口頭弁論までに提出する。次回の口頭弁論は、10月1日(金)11:30−から仮庁舎で開催される予定。 【辰巳ダム日誌】2010.6.17(木) 辰巳ダム建設事業の買収用地の「土地代金」非公開についての異議申し立て 石川県の作成した「辰巳ダム建設事業費変更対照表」によると、辰巳ダム建設事業の総額は、旧計画が123億円に対して、新計画では240億円と約2倍になっている。そのうちの用地及び補償費は13億円から57億円と4倍以上に跳ね上がっている。新計画では、ダム堤体が150メートル程度上流へ移動し、ダムの規模は幾分縮小されており、特段、用地等の費用が大きくなる理由は見あたらない。この用地及び補償費に関して、もう少し詳細を知りたいと思い、情報公開請求をした。買収を開始した平成元年から平成21年度までの「用地取得整理台帳」が公開された。 一部公開され、公開しない部分は、「土地代金、前金払金額、残金一括払金額、補償金額、補償金前払金額、残金一括払金額」である。被買収者名、住所、地目、地積等は公開されている。 当初は、全体の合計の買収費用等がわかればいいと思っていたので、土地代金等は非公開は個人情報だから当然と思っていたが、黒塗りで公開されてみると、なんとなく「なぜ公開しないのか?」という考えがふと浮かんだ。県が、モノを企業や個人から購入した場合、税金をコレコレにいくら使いましたということで公開するのがあたりまえではないか、隠さないといけない理由があるのか、コレコレにいくら払いましたという県の支出情報であり、個人情報ではないのではないか、個人の収入を公開しているわけでもない(収入の一部であるが、その他はわからない)、と疑問を感じた。 辰巳ダム担当者に聞くと、前に石川県情報審査会の答申があり、それによったものだとの説明があった。答申を確認してみると、確かに、補償金額は非公開対象となっており、「建物等の内容は公にされていない、公開は将来の円滑な用地買収に支障がでる」など判断が示されていた。今回の非公開は、これに準じて、土地代金も非公開としたようであった。 それでも腑に落ちないので、少し、調べてみると、案の定、公開にかかる考え方に変化があり、土地代金の公開するべきという最高裁判決がなされていることがわかった。土地代金については、近隣の取引価格から類推できるものであり、プライバシーとして要保護性に乏しいということらしい。補償金については、土地ほど明らかでなく、公でない部分が多く、通常他人に知られたくないと望むものであるから、非公開が妥当ということらしい。 ということで、異議申し立てをすることにした。 【独り言】 隠すから、いろいろな闇の勢力?(政治屋?)がブローカーとして関与して不当に高い用地代金を支払わされるのである。公開すれば、こんな問題は起こらないはずだ。建設の時代は、その事業効果を早期に実現するために買収のスピードも必要だから、役人のフリーハンドも必要で、政治屋の仲介も必要悪だった面があったのかもしれない。これからは、そう急ぐ必要もない。必要なところに必要なだけの費用をかける、税の使用の透明化が必要だ。補償金についても公開するべきと思うが、個人的に他人に知られたくないことをなんでもかんでも公開せよということに過ぎると住みにくい社会になっても困るかな(^_^;) 資料リスト @「平成14年6月13日石川県情報審査会答申」→pdfファイル A石川県情報公開条例 http://www.pref.ishikawa.jp/reiki/reiki_honbun/i1010053001.html B最高裁(第二小法廷)平成17年07月15日判決 〔情報公開−市土地開発公社保有土地の一覧表・買収価格等/名古屋市〕 http://www.hiraoka.rose.ne.jp/C/050715S2b.htm C参考文献:「用地事務における「情報の公開」と「個人情報の保護」について〜最高裁の判例を受けて〜」 http://www.o-e.co.jp/enman/enmankaiketu/youtijimu.pdf
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