上水道のページ ■辰巳ダム日誌
                          辰巳ダム日誌(2005年11月) 目次
◆2005.10.24 24日付けの石川県河川課回答書を郵便で受領。
◆2005.11.4, 知事への申入書提出。河川課申入書提出。
◆2005.11.15 住民参画について河川課と協議。
2005.11.15 玉井信行(金沢大学工学部教授)の河川技術論文「河川計画は哲学となりうるか−犀川水系河川整備基本方針を例として−」についての筆者の意見
2005.11.16 辰巳ダム事業で土地収用法適用
2005.11.18 辰巳ダム「土地強制収用」の抗議文の提出予定。
2005.11.18-2 星野村の辰巳ダム建設予定地、共有地の視察案内
◆2005.11.24 知事へ要求書提出。
2005.11.25 石川県は土地収用法に基づく辰巳ダム事業説明会へ参加
2005.11.29 「公開質問状」を玉井金沢大学教授、辻本名古屋大学教授へ送付、石川県河川課へ提出


【辰巳ダム日誌】2005.10.24
24日付けの石川県河川課回答書(新構想辰巳ダム事業の即時凍結の申入書」並びに「公開討論会開催の要求」について)を郵便で受領。

【辰巳ダム日誌】2005.11.4午後1時半〜
 知事へ申入書(ー県河川課は県民に理解を得るための努力をしていないー)の提出。
 河川課へ「石川県河川課回答に対する申入書(犀川水系河川整備検討はこれからが始まりである!)」の提出。
 
 [申し入れの結果]
 9月28、29日に行った、知事と河川課への申入書に対して県の回答を24日付けで受け取った。県知事に対する申入書は文書による回答を求めていなかったが、河川課は間違えて、知事申入も含めた回答してきた。宛先と文章をしっかり、読んでほしいものである。この点については本題ではないので、指摘するにとどめた。
治水、利水に関する疑問に対して文書回答、公開討論会開催を求めた当会の申入書に対して、県河川課はいずれも行わない、公開の委員会やホームページ上で答えているから申し入れは受けられないと文書で回答した。今回の当会の申し入れはこれに対する再申し入れを行った。
公開討論会の議論、ホームページ回答をすべて踏まえた上での疑問を提示したもので、この疑問を説明する責任があるはずであから、前回提示した疑問について文書で説明するべきであると、申し入れをした。

 県の説明は、「みなさんの意見は聞いている。いろんな意見があり、あなた方の意見を100%入れて計画を作ることはできない。入れる意見もあり、入れない意見もある。計画は法手続によって出来てしまったので今、意見を言われても変えることは出来ない。文書や公開討論会はしないが、あなた方が説明責任を求めるならば、機会を作り、説明する。」という主旨であった。

 担当係長は、場所を設定して説明すると述べ、当会としても受けようと考えたが、考え直して説明の場を求めることは止めた。その理由は、委員会での議論、ホームページ上での答えはすべて了解しており、同じ返答を繰り返されても意味がない、これまでの10年間の議論の経験から、説得力のある答えが期待できそうにない、つまり、説明されても時間の無駄であるからである。公開討論会であれば、当方の反論と県の回答を比べてどちらが正しいか、説得力があるか、客観的に評価、理解してもらうことが可能であるが、県と当方だけが議論しても言いっぱなし、あるいは水掛け論のようになるのは目に見えている。

 結局、説明しろ、説明したとお互いに主張することになり、話は行き詰まった。
 さらに、この場で、具体的に過大な洪水量、水余りの議論をしても、今までのように、つまらない答えが返って来て腹が立ち、机を叩かないといけないことになるので止めた。
これは、申し入れの最初から、わかっていたことである。県河川課は、みんなの意見を聞いて入れているし、説明責任も果たしている、必要なら、また説明もする、と言われると当方としては反論に窮する。

 
本当は、当方としては、技術者として、意見を言っているつもりはない。意見というのはAさんは○○○と考えるかもしれないが、Bさんは×××と考えるかもしれない、十人十色、いろいろな考えがあるというのが「意見」である。当方としては、県の技術検討が誤っているから、正しく直せと言う反論、正しい答えは一つしかない技術的結論を言っているつもりだが、県は単なる一つの意見と解している、これは意見ではない、技術的な間違いを指摘した反論だと説明をしたいところだが、技術的な反論にも専門家でも考えが違ったりして結構、ややこしい。このような議論をふきかけても頓珍漢なぎろんになるだけだろうし、、、

 結局、新河川法の住民参加の意義をどう考えているのか?と問うことにした。
 従来、河川事業は、行政(河川課)と専門家や技術者、国と相談し、議会に図り、進められてきた。ところが、平成9年に改正された「新河川法」では、「関係住民の意見を反映させる措置」が盛り込まれ、河川事業を行うにあたり、住民参加が求められるようになった。なぜ、住民参加が求められるようになったのか、従来の枠組みでは事業がうまく進まなくなったからである。新河川法に基づいた、今回の一連の手続きで住民参加の形を取ったが実質は従来と同じではないか? 石川県河川課はこの住民参加についてどのような認識を持っているのか?を、に、ということを改めて効くことにした。課長が席に戻っていたので課長にも説明し、河川課の考えをまとめて、次回に聞かせて欲しいということを要求して、今回は引き取ることにした。

 平成15,16年と2年かけて行った、委員会では公開で開催し、傍聴者の意見は文書で提出できるという形であったが、結果的には都合のいいところは適当に取り入れ、都合の悪いところは理由の説明もなく委員長の裁量で無視された。委員は行政の意を受け、行政に理解ある委員が大半であったので行政が用意した計画のほとんどそのまま承認され、委員会は終わった。これも形の上では、住民参加には違いない。同じ住民参加でも長野県では立場、考えの異なる有識者、学者、住民で構成された委員会で2年間、延べ100回以上の議論がなされた。新河川法のもとで試行錯誤、模索中であることは間違いない。
 そして、今回、実施された石川県の場合、これで住民参加の実があがったのか、この点について県と少し、議論していこうと思う。

【辰巳ダム日誌】
2005.11.15
「住民参画の取り組みについての県河川課の説明」と協議
【日時、場所】2005年11月15日午前10時〜12時、県河川課会議室にて
【協議者】河川課(椿川係長、河西主幹)、犀川の河川整備を考える会(中登史紀、渡辺寛)
 11月4日、当会が県河川課へ申入書を提出し、その際に、住民参画について県はどのような認識を持っているのか、あらためて尋ねたいと申し入れをしていた。今日、15日に県の説明をするというので拝聴した。

 基本的には、河川法で規定されている、住民参画の考え方によっている。県内60水系の中でただ一つ、犀川水系は基本方針策定の段階から住民参画の取り組みをしたのは、県内の最重要河川であり、また重要な事業を行っているからというのが主な理由である。他の水系で委員会を設置し、住民参画の取り組みをする予定はいまのところ無い。

 以上が、主たる説明の内容だった。河川法の枠内で住民参画を考えているということで、住民の理解を得るための積極的な住民参画の考え方は聞けなかった。
 これに対して、当会がこれまでの県の河川行政の住民参画の取り組みについて通信簿を作成した。過去、平成15年の「犀川水系河川整備検討委員会」、平成16年の「流域委員会」等、一連の行政の取り組みについて評価した。 →石川県の住民参画通信簿
 
通信簿の評価点は、100点満点の15点!
 
 平成17年11月15日                                     犀川の河川整備を考える会 中 登史紀、渡辺寛


【辰巳ダム日誌】2005.11.15
 河川技術論文「河川計画は哲学となりうるか−犀川水系河川整備基本方針を例として−」についての筆者の意見 平成17年11月16日 中 登史紀

はじめに
 本年6月24日、金沢大学土木建設工学科第1回市民講座において、玉井金沢大学教授による「犀川水系河川整備基本方針の考え方」と題した講演を聴いた。犀川の河川整備基本方針をまとめるにあたり、「地域の歴史と伝統」の要素を入れて、哲学に例えられる河川計画体系を考慮して合意形成したという話である。短時間の講演であり、詳細な内容はわからなかったのでいずれ、機会があれば知りたいと考えていた。この度、思いがけないところで「論文」を手に入れた。先月30日に富山で開催された「第7回渓流保護シンポジウム」で入手した資料集の中にあった。玉井信行(金沢大学工学部教授)、山本光利(石川県土木部次長)、福本俊明(石川県土木部部長)によって作成された、「河川計画は哲学となりうるか――犀川水系河川整備基本方針を例として――」(河川技術論文集、第10巻、2004年6月)である(以後、玉井論文と呼ぶ。)。
 → 筆者の意見の続き
 → 筆者の意見(図、エクセル表)


【辰巳ダム日誌】2005.11.16
 北国新聞11月16日の記事によれば、
 
辰巳ダムで土地収用法適用
 県、用地交渉難で 25日に地権者説明会
 金沢市の犀川上流で計画される辰巳ダム整備で未買収地での用地交渉が難航していることを受け、県は土地収用法に基づき、ダム建設に必要な土地を取得する方向で検討に入った。二十五日には同法の規定で開催が必要な地権者を対象にした事業説明会を開く。、、、、以下省略。概要は、以下のとおり。
 未買収地は約1万平方メートル。うち、約半分は共有地。県内外に約580人の地権者。県は5月から用地交渉をはじめた。取得困難として土地収用法の適用に踏み切る方針。説明会の後、年内に国土交通省の事業認定申請。事業認定後、収用委員会に収用の裁決を申請。裁決に基づき、土地を取得する予定。

 また、同じ紙上で、石川県知事谷本正憲名の「事業説明会の開催公告」が掲載された。
 土地収用法第十五条の十四の規定に基づき、犀川辰巳治水ダム建設事業の目的及び内容に関する説明会を開催するというものである。

 これに対して当会は明日18日、石川県知事に対して抗議をすることにした。
 治水、利水に係わる、河川整備の基礎的な疑問に答えず、強圧的に事業を推進しようとする姿勢は、今後の石川県行政の信頼感を著しく傷つけ、県民に不信感をもたらし、重大な禍根を残すものである。



【辰巳ダム日誌】2005.11.18
 辰巳ダム事業に関して、土地収用法を適用しようとする知事の姿勢に対して、抗議。
  抗議文のタイトル:「辰巳ダム土地強制収用の抗議文」
  提出宛先:石川県知事 谷本正憲殿
  提出日:平成17年11月18日(金)午前9時半ー
  提出場所:石川県庁知事室秘書課
  →辰巳ダム土地強制収用の抗議文
  →マスコミへの案内


 抗議文の提出に対して、知事の代理の秘書課担当者と河川課ダム建設室長が対応した。
 筆者は、抗議文に加え、
「旧辰巳ダム計画について、県は平成7年に事業説明書を公表した。以来、ダムの必要性に関して、約10年間、議論をし、その必要性について当会は疑問を呈した。これを県は見直し、新構想辰巳ダム計画を去年の12月にまとめた。まだ、1年もたっていない。100年スパンの洪水の議論をしているのであり、犀川の河川整備に関する議論はこれからである。」ことを伝えた。
 記者からの質問で、
 「県がこのように事業を進めていくことに対してどのように考えるか?」に対しては、
 「県の対応はともかくとして、どの段階でも辰巳ダムの必要性についての説明責任を果たすように求めていく。」と回答した。



【辰巳ダム日誌】2005.11.18-2 星野村の辰巳ダム建設予定地、共有地の視察案内
 辰巳ダム建設予定地点の視察と共有地についての視察の案内
 11月18日、福岡県の星野村から4名の方が視察に来られました。ナギの会の渡辺さんと一緒に現地を案内しました。朝から良い天気で今日は雨が降らないだろうと思い、傘を持たずに家を出ました。ところが、午後から夕方にかけてひどい雨になり、帰りは傘を借りて帰宅する始末でした。朝、県庁の19階で星野村の方とお会いし、
 (当方)「今日はいい天気ですが、金沢は雨の多いところで1年のうち、180日は雨が降ります。」
 (星野村の方)「金沢では、弁当忘れても傘忘れるなといいますね。」
 (当方)「そのとおりです。」
と答えていたのですが、紺屋の白袴か、医者の不養生といったところでした(^_^;)
 県庁の19階から展望して金沢市街地、犀川、建設予定地点の場所など概要を説明した後、2台の車に分乗して、犀川大橋地点、鞍月用水堰地点、辰巳ダム予定地点、辰巳用水、共有地などを視察した後、NPOセンターで総括のまとめを行い、終了しました。10時過ぎから、午後4時過ぎまで昼食を入れて約6時間の行程でした。
星野村と金沢の縁は、辰巳ダムの共有地運動です。昭和59年頃、辰巳ダム建設反対の会の佐原先生などの呼びかけで共有地主になられた方が、星野村には約20人ほどおられるそうです。今年になり、石川県から共有地主に3,4回の封書による案内が届き、4回目には石川県担当者が訪ねてこられたそうです。このため、当地の状況を確認するため、来沢されたものです。
 ちなみに、故佐原先生は、「ダムで栄えた村はない!」が持論でした。星野村は隣村の矢部村がダムで衰退していることを目の当たりにして、村をあげてダムに反対している村です。
 昭和45年に構想が持ち上がり、現在まで村全体が一貫して、ダム反対を貫いておられるそうです。真名子ダムという、国営のダムで現在は休眠状態とのことですが、まだ、中止が確定していないそうです。福岡都市圏の利水目的もあるとのことで、復活の目が残っているようです。
 まさのあつこさんのホームページに概要がわかりやすく、掲載されています。
 ダム日記>382(星の村) http://prweb.org/kaizu17/00596.htm

 星野村へ提供した資料の一部→辰巳ダム事業について 2005.11.18
                   

【辰巳ダム日誌】2005.11.24 知事へ要求書提出。

【辰巳ダム日誌】2005.11.25 石川県は土地収用法に基づく辰巳ダム事業説明会へ参加
 石川県は土地収用法に基づく「犀川辰巳治水ダム建設 事業説明会」の開催。
                       

 この説明会は、法に基づいた単なるセレモニーで、会が成立しようがしまいが、事業者が説明しようがしまいが、答えようが答えまいが開けばそれで法手続を踏んだということになり、合法ということらしい。こんな説明会をまじめに聞いているのも馬鹿馬鹿しいと思ったので野次りとばそうなどと不埒なことを前日まで考えていたが、柄でもないので止めることにした。当日、仲間から「勝手に作戦変更して困るなあ」と苦情を言われた(^_^;)
 朝から、あれこれ考え、筆者の主張のポイントである、「基本高水ピーク流量」に焦点をあてて、問題提起文にまとめ、チラシを作ることにした。これを参加者に配り理解してもらい、県に対しては、その主張を質疑の時間に投げかけることにした。
午前から午後と文をまとめ、100枚ほどチラシを作った。物静かな日でしたが、夜は騒々しい一日で終わった。
 七時の開催予定で早かったが、一連の作業が終わったのでそうそうにでかけた。五時ころ、会場の文教会館に着いたが、すでに県の職員の連中が大勢、会館内外に配置されていた。やけに物々しい警備体制で、この土地収用法という「おどろおどろしい」法律の性格を反映し、行政が一大事と考えている様子がうかがえた。
 中でチラシを配ろうとすると、会場で配るな、玄関ホールならいいと言っていたのが、会館の敷地内で配るな、警備上の問題があるとか、やけにうるさい。もらった入場券にも留意事項が山のように書いてある。後からじっくり読んでみると、全文、するなと書いてなくて、ご協力くださいとしか書いてなかった。どうりで、会場では野次や怒号などが飛び交ったが退場処分はなかった。
 参加者は、地権者等は40人ほども集まったのであろうか。報道関係がこれと同じくらい。主催者の行政の方は、この数倍、担当者、係員、警備員が総計100人ほどもいたであろうか。お客さんよりも接待者の方が多いという、とてももてなしの行き届いた行事ではありました(^_^;)
 二時間の予定で、最初の一時間は県の説明、後の一時間は質疑。最初は異様な光景でスタートした。開会が宣言されると同時に、「辰巳の会」の碇山事務局長が、前日、土木部長を通じて、知事へ提出した「要求書」に対する返答を求めた。知事が要望書の内容を確認した上でもさらに土地収用法を冠した事業説明会を開催すると意志決定したのかどうか、確認するためである。これに対して全く、返答することなく、無視する形で続けられようとした。何度も碇山事務局長が返答を求めたが主催者は無視した。以後、30分ほど、野次と怒号が交錯したが、無視して主催者の説明は続いた。壇上の主催者の表情が面白かった。冷静さを装い、無表情を演出した。一見茶番劇である。
けれど、冷静に考えれば、事業の内容如何にかかわらず、法手続きを踏めば、法を背景に、強権を発動できる。しかも、選挙で審判を受けるわけではなく、役人の身分は保障されている。元来、住民のしもべ、公僕であるはずの役人が強権的な行為を行っても安泰というのは問題である。
 つらつら考えてみるに、警備員まで言い方が権力指向に傾きかかった気配がないでもない。動員された、若い、感性、理性の素朴な職員だけが何でこんなことをやらないかんのかと感じたに違いない。事業が必要で、公益性のあるものであれば、なぜ、こんな反対があるのだろう、どうしてこんな物々しい警備の片棒を担がなければならないのだろうか?と。
 一時間の退屈な説明の後、質疑に入った。
 まず最初に質問に立った。
治水の議論のすべては、基本高水ピーク流量の議論に集約される。辰巳ダムは治水のためのダムである。辰巳ダムを議論することは基本高水ピーク流量を議論することである。県は1750m3/秒としたが、過去の洪水の検証、隣接の流域の比較による検証では、それぞれ800-900m3/秒、1200m3/秒である。基本高水ピーク流量は過大であり、辰巳ダム事業は不要であることを前置きでのべ、
 この1750m3/秒という数値の信頼性はどれほどか、この信頼度は過去の洪水の実績などと比較検証して初めて、その信頼性が確認できる。様々な検証全てにおいて信頼性が確認できない。信頼性はどのように考えているのかという主旨の質問を行った。
 これに対しての答えは、
高野課長「これは全国的に一般的に行われている方法であり、妥当なものと認められているものである。専門家の先生方の審議も受け、了解を受けているので間違いないものである。」という主旨の返答であった。いつもの回答である。
中「先生方は納得していないぞ、議事録では、非常に説明力に乏しい、説明するのが難しい基本高水流量になっているとあるぞ。」
高野課長「議事録の一部を都合良く取り上げているだけだ」
などというやりとりが少し続いた。
 いずれ、県は聞く耳をもたないのはわかっていたが、参加者に基本高水ピーク流量は、1/100確率で900前後、手取川など隣接の水系の水準にあわせると1200m3/秒程度、1750m3/秒は異常に大きいということが伝わればよかったが、伝わっただろうか?
 基本高水ピーク流量を初めとして、環境調査、現地の自然環境、生態系の破壊、用地取得や交渉に係わること、水利権、地崩れ、知事の意志決定にかかること、土地収用法にかかることなど、質疑が行われ、県も多くの質問には回答した。内容はほとんど、中身がなく、どうでもいい食べ滓のようなものであったが、回答する姿勢は見せた。
一時間の侃々諤々があって、主催者は時間きっかりに閉会した。一応、みんないいたいことを言って幕を閉じたという気配であった。碇山事務局長は大勢の報道に囲まれて弁舌をふるっていた。主催者の高野課長は、マスコミを振り切って裏口は退散したようだ。ある意味、先輩が先鞭をつけ、やり残した無理難題を押しつけられた、気の毒な人かもしれない。
 平成13年に土地収用法が変わって、強制収用が簡単になったらしい。行政が行う、公益性のある事業が一部の反対があるからと言って実施できないのは不合理である、社会全体にとって有益な事業であれば容易に進めることができるようにするべきであるというのが、改正の背景だったらしい。事業に公益性があればである。
辰巳ダムのように、調べれば調べるほど、必要性に疑問のある事業に公益性があるわけはない。全く、240億円の国費の無駄使い、国富の消耗である。正論は正論として発言し続けなければならない。土地収用法が適用されようが、されまいが、どの段階でも県の説明責任を問うていかなければならない。
 いずれにしても、
 碇山教授の言う、憲法で保障された、個人の財産権を奪うということはこういうことか、ということを認識した一日でした。
 関係者のみなさん、おつかれさまでした!
(-_-;)
 筆者の質問(問題提起)

               

【辰巳ダム日誌】2005.11.29 、公開質問状を提出
 犀川の基本高水ピーク流量に関する「公開質問状」を石川県河川課へ提出、および玉井金沢大学教授、辻本名古屋大学教授へ送付。
 従来から、犀川の基本高水1750m3/秒が異常に過大で、「有史以来発生したことがない洪水量である」と主張していますが、今回は、手取川の基本高水ピーク流量と比較して問題提起をしています。石川県河川課への公開質問状、および同内容の公開質問状を、手取川と犀川の両方の河川整備計画審議委員をされている、玉井、辻本両先生に対して送付。

 公開質問状を要約するとつぎのようである。
 ◆質問のための前提その1
 犀川水系と手取川水系は1/5とほぼ相似しており、既往の洪水量も1/5に近似しているが、計画では過大な数字となっている
 ◆質問のための前提その2
 手取川では既往洪水で検証して妥当性を確認しているが、犀川ではその検証がない
 ◆質問のための前提その3
 犀川では既往洪水の検証されず妥当性が欠如している
 ◆質問のための前提その4
 手取川の整備水準にならうと犀川の基本高水ピーク流量は1,200m3/秒となる
 ◆質問のための前提その5
 辻本委員も犀川の基本高水ピーク流量1,7501m3/秒が過大と認識していた
 ◆質問のための前提その6
 技術者は客観的な数字で検証すべきで占星術者ではない
 ◆質問のための前提その7
 浅野川の水準にならっても犀川は1,200m3/秒が妥当となる
 ◆質問のための前提その8
 技術的根拠のない事業は国費の無駄使いでしかなく、財政改革の国策にも合致しない
 質問
 手取川に比較して犀川の基本高水ピーク流量が過大と考えられるが、妥当だと判断されるのであれば、「質問のための前提」に沿って、技術的根拠を示して御回答ください。


 → 石川県河川課へ「公開質問状
 → 玉井金沢大学教授、辻本名古屋大学教授へ「公開質問状」
 → 図1 犀川水系および手取川水系図
 → 図2 犀川と手取川の基本高水ピーク流量の比較


 [河川課の対応]
 担当係長は、答えるべきものと判断すれば回答すると述べた。


 犀川の治水に関して、議論しています。金沢の洪水コーナーへ
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