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下水道専門の水道技術者とはいいながら、あまり実のある仕事をしてきたとも思えない。反省ー(^_^;)_m(_
_)m
■下水と汚水
一般的には、下水と汚水は同じ意味として使われています。
しかし、文字が違うように意味は異なります。
汚水は、文字通り、使用されて汚れた水です。
これに対して下水は汚れた水とは、必ずしも言えません。
言葉は文化そのものです。この文化の違う国の言葉と比較することによって意味が明瞭になります。
とを説明する前に、英語ではどのようにいうのでしょうか?
スウェッジ(sewage)、あるいはウェストウォーター(wastewater)といいます。
前者は、人間の排泄物を含めた、家庭あるいは事業所等から出てくる汚水、後者は前者に工場排水を含めた汚水のことをいいます。
日本の「下水道法」という法律で定義された「下水」は、工場排水も含めていますので、英語のウェストウォーターと下水という言葉は同義ということになります。スウェッジは、家庭から出てくる汚れた水ですので、下水とも汚水とも言えるでしょう。
しかし、法律によらない、下水という言葉は、これとは若干違った意味を持っています。
下水という言葉は、いつから使われるようになったのかははっきりしませんが、明らかに上水に対して使われる言葉です。上流のきれいな河川から人工的に造られた水道施設であり、かつ、その施設を通じて供給される水を言います。例えば、「玉川上水」です。上から流れてくる清浄な水が「上水」です。これを利用して下流へ流す水が「下水」です。江戸時代は、人間の排泄物はすべて便壺に蓄えた後、農地還元されたので「下水」に流されることはありませんでした。
家庭で利用された後もかなり清浄な水質を保っていたことでしょう。これが「下水」です。下流でこれをまた、「上水」として利用されました。江戸のような都会では、使用した水は悪水として排水されたのでしょうが、水の豊富な地方では上流で使った水は下流で反復利用されました。はやりの言葉でいえば、循環型のリサイクル使用ということでしょうか。
これが日本における「上水」と「下水」の関係です。
これを英語に直訳すると、アッパーウォーター(upper water)、アンダーウォーター(under
water)となります。
欧米人には、なんのことか、さっぱりわからないでしょう。
英語では、ウォーターサプライ(water supply)、ウェストウォーター(wastewater)と言います。水道は地下水あるいはわき水を水源としているところが一般的で、人間の排泄物等で汚染された河川の水は利用しないのが普通でした。上から流れてくる水は清浄という概念はないようです。
日本では、背後に山地があり、年間を通じて清浄な水が山から流れてきます。上から流れてくる水、つまり上水は清浄な水という観念がほとんどの日本人にあります。これに対して、地理や水源の違いから、欧米人には「上水」の概念が生まれなかったと考えられます。
付け加えていうと、江戸期の日本の町は、たいへん清潔でした。これに対して、同じ頃のヨーロッパの町は、汚物で溢れて雨が降るとぬかるみ、馬車が通過するとこのはね返りをあびるというひどい状況でした。ハイヒールが考え出され、男性が女性をエスコートする習慣もこのような状況で生まれたとのことです。さらに、このひどい衛生状態のため、ペストが蔓延した際には、ヨーロッパの人口が一気に1/3になったこともあったとのことです。江戸期に訪れた欧米人がその清潔さに驚いたという記録が数多く残っています。
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