HOME

中 十七波 俳句集

無断転載を禁じます


12月15日(月)

煙吐く 薪ストーブに 旅心

12月11日(木)

餌付けても つれなく白猫 雪女郎
2004年4月7日
 餌付けても白猫つり目雪女郎

12月7日(日)

鰤起こし 鬼舞い下りて 戸を叩く

12月5日(金)

雪見の湯 肩までそっと 這い上がり

12月3日(水)

熟し柿 棹の届かぬ 空にあり

11月26日(水)

埋火や きのう受け継ぎ 火を起こす

11月20日(木)

子抱く猫 聖母の如く 枯れ草に

11月14日(金)

幾重にも 散れども散れど 山茶花なり

11月12日(水)

頼りなき 苗振り返る 早、立冬

11月10日(月)

茸採り 毒持つほどに 堂々と

11月6日(木)

白釉の 白常ならず 貴船菊

11月1日(土)

キノコ狩り けものみち行く 2本足

10月31日(金)

行く秋を 追い抜き、去りし コンコルド
(10月24日、超音速旅客機コンコルド最後の飛行)


10月30日(木)

小春日和 暦を繰れば 霜月に

10月27日(月)

万緑は 花に化けたり 秋の山

10月21日(火)

野良猫の 夢の中まで 鰯雲

10月20日(月)

絶え間なき 祈りに聞こゆ 虫時雨(むししぐれ)

10月8日(水)

たわわなる あけびの身裂く 月の剣(けん)

9月28日(日)

過疎の地で 星月夜(ほしづくよ)まで ほしいまま

9月26日(金)

白鳥座 銀河に囚われ 目に泪

9月19日(金)

籾焼けば 狼煙(のろし)伝えし 豊作を

9月17日(水)

順繰りに 祭り終わって 曼珠沙華

9月11日(木)

秋の虹 色無き風を 深呼吸


9月10日(水)

見送りぬ 鳥となるまで 雲の峰 
(7月7日能登空港開港)

9月9日(火 )

大接近 地球占う 赤き星
(8月27日、火星が地球に6万年振りの大接近)


9月6日(土)

ねじ花や 身よじる恋よ 万葉集

9月1日(月)

己が影 鬼になるまで 太鼓打ち
(女性三名による太鼓演奏「ほのお太鼓」)
 
8月27日(水)


未知の道 燃ゆるサルビア ナビゲート
(能登半島珠洲道路)

8月17日(日)

連々と 咲けども花火 闇が食う

8月13日(水)

盆花折り 先祖の気配 そこここに

8月11日(月)

天の川 夢追い駆けし 龍の跡

8月7日(木)

狂ったよに 祭りの金魚 フラメンコ

8月5日(火)

鈴の音や 早稲の稲穂か かなかなか

7月25日(金)

葉の盃や 雨受け孕む 花南瓜

7月22日(火)

黄泉の子の ブランコ軋む 鵺(ぬえ)の笛

7月15日(火)

結び目が 祭りの夜は ほどかれて

7月13日(日)

石舞台 蝶を演じる 合歓の花

7月9日(水)

ひとつ上 ひとつ上へと 立葵

7月4日(金)

神でなく 星に願いを 七夕夜

6月29日(日)

兜絞め 若き軍神 花菖蒲

6月24日(火)

笹ゆりの 俯く恥じらい 蝶誘う

6月18日(水)

身に余る 葉に抱かれし 鈴蘭切る

5月28日(木)

待ち合わせ 日傘傾け 意地悪を

幾歳月 苗投げる夫 受ける妻

5月16日

日向ぼこ 恋猫の舌 忙しなく

→(2004年3月31日) 陽だまりの恋猫の舌忙しなく

(2004年4月1日)  陽だまりに舌忙しなき恋の猫

風吹けば 真鯉に倣ふ 緋鯉たち

4月27日(日)

冬の旅 古茶釜語れ 昔話

古代継ぐ 雪回廊の 果ての民 (青森県十和田にて)

4月22日(火)

拝む吾を 笑う石仏とタンポポ (青森県奥入瀬)

3月10日(月)

鶯の 初音はつぼみ 梅も又

黄水仙 吹け吹けラッパ やっと春

2月28日(金)

まだら雪 ここに春あり 蕗のとう


→(2004年4月1日) 雪あれどここに春あり蕗のとう
→(2004年4月2日) 凍る指探し当てたる蕗の

→(2004年4月3日) 指先の探し当てたる蕗の薹


一人暮らし 家族に見立て 飾る雛

2月18日(火)

落ちてなお 地の花と咲く 雪椿


back to contents

眠兎の寝言 2004

E-mail