辰巳ダム日誌(10月)

いよいよ、犀川水系河川整備検討委員会がスタート!
今月25日に第1回が開催された。

第1回犀川水系河川整備検討委員会の開催
 犀川の河川整備(治水、利水、河川環境)について学識経験者、関係者、県民の意見を聞くための「犀川水系河川整備検討委員会」第1回が、平成14年10月25日に石川県厚生年金会館で開催された。河川法に基づく「河川整備基本方針」を決める過程で、学識経験者等の意見を取り入れるためのものである。現在の法律では、義務づけられていないが、石川県独自の考えで設置された(ダム建設室担当者の弁)。
 委員は、石川県土木部が選び、土木部長が各委員に委嘱した。メンバーは以下のとおりである。

犀川水系河川整備検討委員会のメンバー
 環境衛生工学・水質  池本良子 金大助教授
 報道機関         稲垣 渉 北国新聞社編集局長
 森林            井幡清生 県林業技術協会相談役理事
 地形、地質、地盤    川村國夫 金工大教授
 都市防災         北浦 勝 金大教授
 農業利水         北村邦彦 県立農業短大教授
 観光            作田 勝 金沢市観光協会副会長
 文化            敷波澄子 随筆・評論家
 河川工学         玉井信行 金大教授
 河川工学         辻本哲郎 名古屋大学大学院教授
 民俗・歴史        東 澄子 県文化財保護審議会委員
 漁業            三森義佐 石川県内水面金沢漁協組合長
 生態学          矢島孝昭 金大教授
 都市景観         山岸政雄 金沢学院短大教授
 経済            山本勝一 石川県経営者協会副会長
 用水            吉田 明 金沢市用水連合会長
  委員の順序は、(五十音順)

 河川工学に関する専門家は、玉井信行金大教授(東大名誉教授)、辻本哲郎名古屋大学大学院教授(元、金沢大学)である。
 
 25日(金)午後2時から4時半までの2時間半。県は犀川の計画洪水量を見直すなどの検討を進めており、その変更過程の行動であるので(重要!)、是非、当方の意見を反映させる機会を求めることを目的として傍聴した(委員ではないので意見を述べることはできない)。
 第1回は、県の挨拶、委員会の目的の説明、基本方針の内容と犀川の現況についての県の説明、各委員の委員会に対する考えの表明などで終わった。11月11日〜13日の現地視察の後、11月29日(金)の第2回(議題は「基本高水」)から本格的な議論が始まる。
 といっても、河川工学の専門家は二人だけであるが。25日の会合では、各委員から、昔の洪水被害に関する話がいくつも出て、「そのような洪水は二度と起こしてはならない。」というような話があった。現実には、犀川の河川安全度は(伏見川合流点から河口を除く。)非常にあがっており、昔話のような都心での心配は全く無いことを知らないようである。こんな連中を集めて議論して大丈夫かな?という感想も無いではなかった。いずれにしても今後の議論を待たねばなるまい。
 
 ただ、今回も県の対応が気になる。建前は市民県民の意見を広く、聞こうということであろうが、それならば、「第1回」の委員会ももっと積極的にPRしてもよかったのではないか。傍聴者がわずか4名である。当方も前日の北国新聞の「File」欄に小さな記事を見つけて知った。あまり、知らせたくなかったのではないかと疑う。
 石川県は、平成9年の河川法の改正を受けて、犀川の河川整備基本方針を見直している。昨年度は直近のデータ20数年分の整理、今年度はこのデータによる解析をして「基本高水」等を算出している。9月4日、ダム建設室の山本室長に電話して確認したところ、まだ、決まっていない、今年度中に決めるという話であった。それが、やっと、まとまったらしい。「案を作ったから、議論に来い!」という話があってもよさそうに思うが、そのような話がないところを見ると自信がないのかな?
 いずれにしても、いよいよ、出番である!どこからも声がかからないが!

第1回の様子と感想を記す。
 次ページへ

トップへもどる ダム日誌2002.7へ ダム日誌2002.11へ