■辰巳ダム日誌
                          辰巳ダム日誌(2015年1-12月) 目次

 ◆辰巳ダム裁判最高裁への上告 2015.11.20
 ◆辰巳ダム裁判控訴審判決言い渡し 2015.11.9(月)午後1時30分〜1時35分
 ◆辰巳ダム裁判控訴審第4回最終口頭弁論開催 2015.7.6(月)午後2時30分〜3時30分
 ◆辰巳ダム裁判7周年集会の開催 関先生の講演 2015.4.25(土)午後1時30分〜4時30分
 ◆辰巳ダム裁判控訴審第3回口頭弁論開催 2015.4.20(月)午後1時30分〜2時



【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判控訴審 2015.11.9(月)午後1時30分〜1時35分
 辰巳ダム裁判控訴審判決言い渡しが、平成27年11月9日(月)13時半〜、名古屋高等裁判所金沢支部201号法廷であった。
 裁判長は、主文だけを述べた。
 1 本件控訴を棄却する。
 2 控訴費用は、訴訟参加によって生じた費用を含め、控訴人らの負担とする。

 参加者は、裁判官3名のほか、控訴人席6名、被控訴人席3名、傍聴席は、マスコミ数名含め50名弱。

平成26年(行コ)第4号
土地収用法に基づく事業認定処分取消請求控訴事件
当事者:(控訴人)碇山洋ほか、(被行訴人)国;奥村仁、石川県;鈴木穣、
裁判長:内藤正之、裁判官:鳥飼晃嗣,大野博隆、書記官:棚辺克也

記者会見および報告集会の開催
 裁判所の向かいの北陸会館で、判決言い渡しの後、16時ころまで、記者会見を兼ねた報告集会を開催。
 碇山原告団長から、報告の後、質疑応答。最高裁への上告については、憲法違反、判例違反などの理由が必要でハードルが高いため、慎重に検討する必要があると考えているが、期限が2週間と短いため、早急に決断をしなければならないことと答えた。
一審の議論に加えて主として治水に関して新しい証拠を示して争ったが、証人を立てて立証できなかったこともあり、主張したことについての判事はあったが、理由がないということで、一審判決と同様に棄却された。

マスコミの記事
 朝日新聞→住民の控訴棄却
 北国新聞→原告側控訴を棄却
 北陸中日新聞→辰巳ダム原告の控訴棄却

  一審、二審の判決は、基本高水が過大だという主張に理由がない、ということであった。けれども、国の主張が妥当で辰巳ダムを積極的に支持しているわけではなく、控訴人の住民と非控訴人の国の主張と比べて、国の主張に軍配をあげると言っているだけである。
別のいい方をすると、司法は(専門技術的判断で)「辰巳ダムは必要だ」と言っているわけではなく、(司法判断で、つまり手続きの違法がない)「辰巳ダム計画だ」と言っているだけである。
 一般の県民にとっては、「やはり、(治水の専門技術的な面からも、)辰巳ダムは必要なダムだ」という理解になるのかもしれない。
マスコミのニュースでは、国が、「司法で辰巳ダム計画が適正であると認められた。」と発言していますので、国の判断が正しくて、住民の指摘が誤りだったという印象になっているようである。
 裁判では、基本高水の検証の過程で、流量観測記録が少ない(30年に満たない)ので流量確率評価をして検証する必要はないという判示がされたが、現時点(辰巳ダム完成時)ですでに34年のデータがあり、検証してみると基本高水は2000年確率値となり、100年確率値ではないことが明確になっている(控訴人が証拠として提示)。これに対して、国は独自の考えであるとしか反論していない(誤りだと反論していない、ということは事実を認めたということである。)。証人(大学教授などの学識経験者)をたてて主張できなかったので、裁判では採用されていないが、裁判記録に記載されて残った。
 したがって、内容では負けていないということができる。


【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判控訴審第4回最終口頭弁論開催 2015.7.6(月)午後2時30分〜3時30分
 2015年7月6日(月)14時30分〜15時30分、名古屋高等裁判所金沢支部201号法廷において、辰巳ダム裁判控訴審第4回口頭弁論(結審)が開催された。
 
平成26年(行コ)第4号
 「土地収用法に基づく事業認定処分取消請求控訴事件」
 名古屋高等裁判所金沢支部第1部D4係
 裁判長:内藤正之,裁判官:鳥飼晃嗣,大野博隆,書記官:棚辺克也
 国:奥村仁,石川県:鈴木穣
 控訴人:碇山洋外,鳥毛美範

 控訴人は、第3準備書面(治水)とその証拠を提出した。被控訴人は、第2準備書面および証拠(乙229)を提出した。その後、控訴人を代表して碇山洋原告団長、原告団の中 登史紀が意見陳述を行った。

 碇山洋団長は、辰巳用水とのかかわりで辰巳ダム建設反対から始まった市民運動、続く長期の辰巳ダム訴訟にかかわる活動全般を通じて辰巳ダム問題についての総括と一審判決に対する意見を述べた。続いて、中が辰巳ダム訴訟控訴審の弁論を通じてより鮮明になってきた辰巳ダムの問題点、有史以来発生したことのないような洪水について、会場の大型画面を使いながら、身近なものに例えた説明を試みた。
 まずまず、わかりやすかったという反応もあった。

 なお、中が作成して陳述するファイルは以下のところに収納してある。また、意見陳述要旨も作成してある。
http://www.nakaco.com/tatumiDAM-sosho/tatumidam-saiban-bunsyo.htm
控訴審最終弁論(2015.7.6)
 意見陳述全文(中) ワードファイル, パワーポイントファイル
 意見陳述要旨(中) ワードファイル

 判決言い渡しは、年内に行われる予定。
 ちなみに参加者は、裁判官3名のほか、控訴人席10名、被控訴人席12名、傍聴席は、マスコミ数名含め30名ほど。


【辰巳ダム日誌】 辰巳ダム裁判7周年集会の開催 関先生の講演 2015.4.25(土)午後1時30分〜4時30分
 平成27年4月25日(土)13時30分〜16時30分
 近江町交流ブラザ(近江町市場ビル 4階)

 「あらためてダム問題の根本を問う」(基本高水――ダムを造り続けるための魔術――)
  講師:関 良基 先生    (拓殖大学准教授)
 「一審判決の特徴と控訴審の焦点」
  報告:塩梅 修 弁護士    (弁護団事務局長)

 ゴールデンウィークの初日、統一地方選挙投票日の前日ということも重なり、参加者が少なかった。しかし、ダムは建設されたものの問題は解決されたわけではなく、裁判が係争中であり、問題意識を持って参加された複数のマスコミ関係者もあり、緊張感のある空気に包まれた。

 辰巳ダム裁判の最大の焦点である「過大な基本高水」について、3年前の講演に引き続き、今回もその続きを、関 良基拓殖大学准教授に講演して頂いた。

先生いわく
 「基本高水の議論をしだすと、多くの人々は『そんな話、どうでもいいや』とうんざりしてしまう。水害から身を守るために本質的に重要な話しとは思えないからだ。しかし、一般の人々が近寄りがたい議論をし、煙幕をはることこそ、住民を川から遠ざけ、官僚たちが河川管理を独占し、国民の税金を吸い上げていくためのテクニックである。ふつうの人々が辟易とするような議論の背後で、実際には非科学的な計算が横行している。数字をめぐるバカバカしいとも思える議論を直視していくことを通して、現行の治水の法制度の枠組みのどこに問題があるのか明らかになるだろう。」
 そのバカバカしい議論の一端を披露していただいた。
 →クリック

【辰巳ダム日誌】 辰巳ダム裁判控訴審第3回口頭弁論開催
 2015年4月20日(月)13時30分〜14時、名古屋高等裁判所金沢支部201号法廷において、辰巳ダム裁判控訴審第3回口頭弁論が開催された。
 被控訴人は、第1準備書面(治水と代替案)とその証拠を提出した。これ以外の反論はないと説明した。
 前回の法廷で、控訴人が提案した、鑑定申請,証人申請は必要なしとの判断で却下,進行協議期日も必要なしとの判断がくだされた。
 次回期日は,7月6日14時30分から15時30分までで、最終弁論期日となった。
 控訴側は、それまでに反論の提出と当日の意見陳述はできることになった。

 ちなみに参加者は、裁判官3名のほか、控訴人席6名、被控訴人席12名、傍聴席は、マスコミ数名含め20名弱。

平成26年(行コ)第4号
土地収用法に基づく事業認定処分取消請求控訴事件
原告:(碇山洋ほか)、
被告:国(山下裕樹ほか)、石川県(鈴木穣ほか)、
裁判長:内藤正之、裁判官:藤井聖悟(4月から異動?)、寺本明広、書記官:宮川千秋




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