■辰巳ダム日誌
                          辰巳ダム日誌(2013年1-6月) 目次

【今回】
◆2013.6.19(水)午後2時00分〜午後5時20分 辰巳ダム裁判証拠調べ(地すべりに関する原告証人の主・反対尋問)

【結果】
◆2013.5.22(水)午後1時10分〜午後5時20分 辰巳ダム裁判証拠調べ(被告原告双方の証人の反対尋問)
◆2013.5.10(金)午後1時10分〜午後5時20分 辰巳ダム裁判証拠調べ(被告原告双方の証人の主尋問)
◆2013.4.15(月)午後2時30分〜午後3時 辰巳ダム裁判弁論準備の開催
◆2013.2.20(水)午後1時半〜4時半 辰巳ダム裁判進行協議形式勉強会(治水)の開催

【予定】
7月18日(木)13:10〜17:20、地すべりに関する被告証人の主・反対尋問。




【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判証拠調べ(地すべりに関する原告証人の主・反対尋問)
 2013年6月19日(水)午後2時〜5時30分、金沢地方裁判所新庁舎法廷205号(2階)
 案内→クリック
 地すべり用語の説明→クリック

【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判証拠調べ(被告原告双方の証人の反対尋問
 2013年5月22日(水)午後1時10分〜5時30分、金沢地方裁判所新庁舎法廷205号(2階)で開催された。
 裁判官3名、書記1名、被告8名、原告7名。傍聴者が30名ほど。
 証言者は、前回と同じく、以下の2名である。
 原告証人:上野鉄男,国土問題研究会副理事長,工学博士
 被告証人:佐合純造,(財)日本建設情報総合センター 中部地方センター長

 前回5月10日の治水に関する主尋問に引き続き、今回は、反対尋問が行われた。前回は、それぞれ準備書面で主張していたことを同じ立場で証言する場であったため、準備書面の内容の確認という意味合いが強かった。今回は、原告、被告双方の尋問者は、相手方の証人に質問して相手の主張を崩そうとするやり取りであり、白熱した。

13:10−15:30(2時間20分)
被告証人:佐合純造,(財)日本建設情報総合センター 中部地方センター長
尋問者:鳥毛美範原告訴訟代理人、中山洋平裁判官
15:40−17:30(1時間50分)
原告証人:上野鉄男,国土問題研究会副理事長,工学博士
尋問者:国の代理人、中山洋平裁判官

どちらかというと、国の代理人は、原告証人の証言に対して、どうしてそうなるのか、考えるのか、断言できるのか、などと厳しく迫ったが、これに原告証人は辛抱して耐えて答えた。結局は、どういう結論に導きたいのか、不明のまま、何となく、尋問が終わったというような感が残った。これに対して、原告の代理人は、一つ一つ、確認をしながら、結局は、国の証人が国の主張の根拠がそれほど科学的な合理性があるというわけでもなく、安全を見込み過ぎているのではないか、という終着点にいつの間にか着いていたということになった。検証のための比流量についても、検証にならないということをほぼ認めた証言もあり、その結果、国の証人の基本高水ピーク流量がほぼ妥当な結論だという証言もまったく説得性のないものとなった。

前回、被告の佐合証人が全般の事項にわたり「安全性という観点から価値判断した」と証言したが、今回もこの文脈で証言していたが、原告の上野証人は、提起した問題点(対象降雨量、対象降雨波形、飽和雨量)や計算段階毎に安全側を見込むのは適切でない、特に新基準では棄却して残った群から最大を選択するということで安全を見込んだ考えとなっていることからも、他の事項で安全をそれぞれ見込むのは過大な答えとなるので誤りであるとした。

いずれの証人の証言においても、ほとんどの点で、原告の主張の方が妥当であるということを補強したことになったのではないか。ただ、裁判官が「行政が負ける判決を書くことはほとんどない」(今後の出世に差し障りになる?(-_-;))ので、よほどのことがない限り、 原告勝訴はないかもしれない。

そのため、今後、最終準備書面では、この裁判は、基本高水ピーク流量の過大さが無駄なダムが造られつづけていることになっているが、この裁判の判決でこの流れになにがしかの歯止めをかけることになれば、無駄なダムが抑制され、社会全体として大変有意義なことであるということを強調して訴えるべきかもしれない。


【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判証拠調べ(被告原告双方の証人の主尋問)→証人尋問の原告側資料 「案内、治水用語の説明、原告側の主尋問に使用する証拠書類一覧」
 平成25年5月10日(金)午後1時10分〜5時20分、金沢地方裁判所新庁舎において、治水に関する原告、被告双方の証人の主尋問が実施される。一般傍聴可。
  原告証人:上野鉄男,国土問題研究会副理事長,工学博士
 被告証人:佐合純造,(財)日本建設情報総合センター コリンズ・テクリスセンター長

 辰巳ダム裁判の最初の証人尋問である。最大の争点である治水の基本高水ピーク流量について証言する。基本高水ピーク流量は、洪水防御計画の基本となる河川水の流れの最大となる水量であり、石川県は犀川大橋基準点で1750立方メートル毎秒としているが、この大きさが辰巳ダム裁判の最大の争点である。
全国で基本高水を問題にして争った裁判は、八ッ場ダム、長野県の浅川ダムといくつかあるが、なかなか勝てない。
治水ダムが造られ続けている最も大きな原因は、過大な基本高水ピーク流量である。これを根拠に、国交省は、過大な基本高水ピーク流量でダムを造り続けている。この辰巳ダム裁判で勝てば画期的なことになる。無駄なダム建設の流れを押し止めるためのクサビを打ち込むことができる。

今後行われる証人尋問の日程はつぎのとおり。
5月22日(水)13:10〜17:20、治水に関する原告、被告双方の証人の反対尋問。
6月19日(水)14:00〜17:20、地すべりに関する原告の証人の主尋問と反対尋問。
7月18日(水)13:10〜17:20、地すべりに関する被告の証人の主尋問と反対尋問。


【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判弁論準備の開催結果について
 平成20年(行ウ)第2号 碇山洋 外「土地収用法に基づく事業認定処分取消訴訟事件」
 2013.4.15(月)午後2時半〜3時、金沢地方裁判所新庁舎共用室3(3階)。
 裁判官3名、書記1名、被告18名、原告9名が参加。
 一般の傍聴はなく、関係者だけの会合であり、今後行われる証人尋問の日程確認等を打ち合わせた。予定はつぎのとおり。
 5月10日(金)13:10〜17:20、治水に関する原告、被告双方の証人の主尋問。
 5月22日(水)13:10〜17:20、治水に関する原告、被告双方の証人の反対尋問。
 6月19日(水)14:00〜17:20、地すべりに関する原告の証人の主尋問と反対尋問。
 7月18日(水)13:10〜17:20、地すべりに関する被告の証人の主尋問と反対尋問。

 ほかに、自然環境の尋問に関して、開示しないことを前提に渡した被告からの文書について、尋問で使用することについて、原告から、使用したいという意見書が出されており、これについて議論があった。原告が具体的にどういうレベルで使用するかについて提案し、これを被告弁護団が検討する。折り合いがつかなければ、文書提出命令の形で取り扱うことにする。


【辰巳ダム日誌】辰巳ダム裁判進行協議形式勉強会(治水)の開催結果について
 2013.2.20(水)午後1時半〜4時半

 金沢地方裁判所仮庁舎会議室において、13時半から3時間にわたり、説明と質疑がなされた。裁判官3名、書記1名、被告18名、原告12名参加した。まず、被告の国から、約1時間半説明があり、休憩の後、原告から約1時間の説明があった。その後で約1時間の裁判所からの質問があった。

 いつものとおり、裁判長から、この勉強会で説明した内容については、裁判の証拠資料とはならない、お互いの説明に疑問があれば質問してもよいがここで議論する場ではない旨の話があった。もし、相手への批判があることについては、準備書面として提出しなければならないとのことであった。当日、裁判所へ説明のために提出した説明資料は、「裁判に関する説明」として準備書面の代わりに提出することも可か?

 今後の予定については以下のとおり。
 被告の治水陳述書の提出について:3月5日。
 証人申請書について:3月6日までに、正式に証人申請書を出すこと。
 弁論準備について:4月15日14時半より。証人の採否を決めるとのことである。
 治水に関する証人調べについて:5月に2回行う。
 1回目は5月10日(金)13:10〜17:20、原告、被告双方の証人の主尋問。
 2回目は5月22日(水)13:10〜17:20、原告、被告双方の証人の反対尋問。
 これらについては、新庁舎において、一般の傍聴者のもとで公開して行われる。
地すべりに関する証人調べについて:6月中旬〜7月中旬にかけて2回、行う予定(月あるいは木曜日)

 進行協議形式勉強会でのファイルは以下のところに収納。
  原告のプレゼンテーションファイル
  被告のプレゼンテーションファイル(430メガバイトと大きいファイル)
 http://www.nakaco.com/tatumiDAM-sosho/tatumidam-saiban-bunsyo.htm

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