辰巳ダム日誌(2004年10月)

【辰巳ダム事業の費用対効果に関する意見書に対する回答:10月7日(木)電話による】 
 
平成16年9月16日付けの石川県公共事業評価監視委員会委員長ならびに委員宛の意見書について、事務局の土木監理課の常田氏より電話で回答を受け取った。丸山委員長の判断およびその答えはつぎのとおりであるとのことであった。
 一つ、すべて委員に配布したこと、
 一つ、委員会に提出された一人一人の意見に答える場ではなく、県が作成した案について意見を具申する場であること
つまり、出された意見は聞き置くが答えないとのことであった。
 内容で判断するのではなく、内容に関係なく、門前払いでは納得できない。それでは、県のお話を聞くだけの単なる儀式にしかすぎない。ムダな公共事業を監視するために発足した委員会の意義がない。
 委員会の要綱、要領を再確認して見た。委員長の判断で意見の陳述を求めることはできるし、そうすることが委員会の精神にも合致することがわかった。
 「意見書」を再提出することにした。

【「犀川水系河川整備計画説明会」の傍聴:10月8日(金)19:00〜20:30、石川県立生涯学習センター2階 22号室】
 県央土木総合事務所主催で、「犀川水系河川整備計画説明会」が開催されたので、傍聴した。
 県の説明によれば、「河川法(昭和39年法律第167号)第16条の2第4項の規定に基づき、犀川水系に係る 河川整備計画を策定するに当たり、犀川本川及び支川の流域住民等に対して、整備計画の説明を行うもの」である。
 対象は、「犀川水系の流域住民等」である。例によって、町会代表など、県の意向にそった人たちが質問や意見を述べる場であり、傍聴の我々の発言の場がないのかと思っていたが、今回は違っていた。発言する人が決められておらず、出席者が1回だけ、発言できる機会が与えられた。県のひととおりの説明の後、発言の機会が与えられたので、当方は、過去に被害を起こした洪水についての具体的な出水量、その時の川の流下能力について尋ねた。県の回答(高野課長)はあいかわらず、具体性のない、あいまいな答えであった。具体的に答えれば、現在の犀川の治水の安全性の高さがわかってしまい、辰巳ダムの必要性が疑問であるので当然と思うが。県が説明しないので、当方が、現在の犀川がいかに安全であるか、具体的な数値で説明した。
 県の意向にそった人たちが順に発言する会ではなかったので、今回は、治水事業に疑問を呈する意見が多くを占めた。住民の意見に対して、県の回答はほとんど、具体性がなく、内容のない、空証文だけの回答であったが、従来の儀式だけの説明会よりはよかった。(^_^;)

【石川県公共事業評価監視委員会委員長ならびに委員宛に意見書を再提出:10月13日(水)午後】 
 
事務局の土木部監理課で、石川県公共事業評価監視委員会委員長ならびに委員宛に「意見書」を提出した。
 
【石川県知事宛に申入書を提出:10月15日(金)午前10時〜】
 犀川の計画洪水量に関して河川課との議論を続けてきたが、河川課は「河川整備検討委員会」、「流域委員会」に検討を依頼中ということで答えない、「委員会」に対して質問状を出しても委員長判断で却下されるらしく、なしのつぶてである。
 それで、知事に直接、申し入れることにした。残念ながら、中国出張のため、不在とのことで直接説明できなかったが、秘書課担当者へ提出することにした。
 申し入れ書のタイトルはつぎのとおりである。

 辰巳ダム事業の非緊急性に関する「申入書」
 ――辰巳ダム築造は貴重な税金の浪費!――
 犀川は浅野川に比較して著しく治水安全性が高い

 今回は、犀川と同様に重要な浅野川との比較をすることで、犀川の治水安全性の程度を判断することにした。
 申入書は→クリック
 申入書に添付した資料→クリック
 国土交通省への案内→クリック

【北陸朝日放送の取材:10月15日(金)午前11時ころ〜12時半ころ】
 知事への「申し入れ書」提出の後、北陸朝日放送の取材を受けた。概略の説明の後、犀川大橋を背景にして現場で取材に応じた。県の想定の計画洪水量1750m3/秒に対して、当方が主張する洪水規模800m3/秒の相違、辰巳ダム不要と主張する根拠等について説明した。

【第4回犀川水系流域委員会の傍聴:10月25日(月)10:30〜12:00、石川県厚生年金会館】
 今回の主な項目は、以下のとおりである。
 1.公共事業評価監視委員会における辰巳ダム建設事業についての報告
 2.10月8日に開催された河川整備計画説明会の報告
 3.犀川水系河川整備計画(原案)についての議論
 4.委員会の後の委員長の記者会見の傍聴

 今回の傍聴で最も感激したのは、委員長の記者会見の傍聴である。
 説明の後、記者から、「基本高水流量が大きすぎるという意見があるがどう考えるか?」という質問がでた。あたりさわりのない、よくわからない回答であったが、当方は感激した。何に感激したかというと、一県民、一技術者がものを言っても、マスコミを含めてほとんどの人たちは「権威」の判断になびいてしまうことが多い、専門家の委員会、学識経験者の判断に疑問を差し挟むことはほとんどない、当地では。それが、自然な形で、権威が下した判断に疑問が提起されたのだ。いろいろと、根気よく、マスコミに説明した成果かな?(^_^)
 委員会の簡単な傍聴報告→クリック

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