内川ダム地点の流量確率評価

――辰巳ダム計画は、「で」+「た」+「ら」+「め」
あるいは「出」と「鱈」と「目」を足したもの――

 内川ダムは昭和50年(1975)に運用を開始して平成25年(2013)で39年になる。

 寶教授によれば、「統計的にある程度の精度を持って確率分布関数を定めるためには30〜40年程度のデータ数が必要であることが国内外の水文統計学の研究によって知られています。」であり、統計学的に100年確率の流量値を算定するには十分な流量観測記録が存在する。

 39年間の内川ダム毎年最大流入量は別紙のとおりである。(出典:「内川ダム貯水位、流入量、放流量年表」昭和50年〜平成11年、「貯水位、流入量及び放流量に関する年表(様式−2)(内川ダム)」平成12年〜平成25年)

 財団法人国土技術研究センターの「水文統計ユーティリティーVer1.5」を使用して流量確率評価を行う。39年間の流量観測記録にもとづいて100年確率の推定値を計算した結果が「統計解析結果」である。SLSC(標準最小二乗規準)値が0.04以下の確率分布は3個あり、100年確率流量(確率水文量)は、191から194立方メートル毎秒である。

 一方、石川県が100年確率の雨量データから流出計算手法(貯留関数法)を用いて算定した100年確率の流量は、542立方メートル毎秒(H.7.8.30型)である。(平成14年度犀川水系河川整備計画検討業務委託報告書p.1-98「表4−1 主要地点における基本高水のピーク流量」)

 まったく異なっている。
 流量確率評価によって求めた流量194立方メートル毎秒が誤っているとすれば、
 流量観測記録が誤っているのである。
 また、
 内川ダム地点の基本高水のピーク流量が誤っているとすれば、
 流出計算手法が誤っているか、雨量データが誤っているか、いずれかである。
2014.10.22,naka

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