辰巳ダム計画の想定洪水は、3万年に1回の洪水か?

 「基準」にあるとおり、降雨確率と洪水確率は1対1で対応していない。降雨確率1/100の雨による洪水確率は1/100ではない。100年に1回の降雨による洪水が起きても金沢市民の生命と安全を守るためにと説明されると、100年に1回起きる大洪水に対しても大丈夫だと考えるがそうではない。

 犀川では、1/100の降雨314mm(2日雨量)に対して、ピーク流量は24例があげられ、547〜1741立方メートル毎秒と計算されている。平均値は、959立方メートル毎秒である。仮にこの平均値を計画として採用すると確率はどれだけだろうか。1/100の降雨があってもピーク流量が平均値959立方メートル毎秒を超えるのは1/2であり、1/2は平均値を下回ることになる。したがって、平均値は、1/200で発生する確率の洪水ということになる。
 このことは、長野のKさんが以下のところで詳しく説明されている。
 http://www5b.biglobe.ne.jp/~yamayosi/public_html/memo225.htm

 辰巳ダム計画では基本高水ピーク流量1741立方メートル毎秒としているが、この確率を計算してみる。
 別紙のとおり、平均値959立方メートル毎秒、標準偏差288立方メートル毎秒、(基本高水ピーク流量−平均値)/標準偏差=2.72となる。正規分布表から、生起の確率は、0.0033となる。よって、
 確率年 = 1/((1/100)× 0.0033)) = 30,300年
 辰巳ダム計画の治水安全度は1/30,300になる。

 ちなみに、2番目のS.36.7.10型1312立方メートル毎秒の場合は、
 (基本高水ピーク流量−平均値)/標準偏差=1.23となる。正規分布表から、生起の確率は、0.1093となる。よって、
 確率年= 1/((1/100)× 0.1093)) = 915年
 治水安全度は1/915となる。
2012.8.3,naka

 

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