柳田村簡易水道について

簡易水道の沿革
柳田村の水道は、村の中心部にあたる日詰脇など9集落を対象に、昭和42年(1967)に、柳田地区簡易水道事業(5,000人未満)として創設された。翌年の昭和43年に給水が開始された。昭和55年(1979)には、久田地区簡易水道が給水開始した。昭和56年(1981)、平成元年(1989)には、柳田地区簡易水道の区域拡張、施設改良のため、認可変更がなされた。平成5年には、北河内地区簡易水道が認可された。平成9年に至り、柳田地区簡易水道第3次拡張事業が認可され、柳田村全体が1つの簡易水道として統合されることになった。平成13年の認可変更で末端の2集落も統合されることになった。

事業の費用
総事業費は、65.7億円にものぼる。計画給水人口4,840人、計画給水戸数1,200戸でわると、それぞれ136万円/人、548万円/戸となる。負担の割合は、国庫補助金が39%、起債が54%、村の一般会計が5.5%、残りの1.1%が地元負担金等となっている。
主たる割合を占める事業は、現在進行中の柳田地区簡易水道第3次拡張事業(平成9年認可)である。平成18年度までの10年間に46.8億円が投資される。計画給水人口4,840人、計画給水戸数1,200戸でわると、それぞれ97万円/人、390万円/戸となる。

水道の使用量
 当初は、1日1人あたり日平均給水量、日最大給水量、時間最大給水量は、それぞれ100g/人・日、150g/人・日、300g/人・日であったが、337g/人・日、531g/人・日、2,164g/人・日と3倍以上に増加した。1日最大給水量2,570m3/日となり、71%は一般家庭用であり、残りが学校、病院、その他である。その他の中には、村祭りなどで人口が12千人の増加も見込んであり、全体の約1割に相当する。

水道料金
 基本水量は8m3/月、基本料金は1,500円/月、超過料金は180円/m3である。4人家庭で1月あたり20m3(167g/人・日)使用すると3,660円/月、1月あたり30m3(250g/人・日)使用すると5,460円/月となる。

原水と浄水の水質
原水の「過マンガン酸カリウム消費量(水質基準は10mg/l以下)」は、3〜4mg/lと清浄であるため、中間塩素処理や塩素消毒の過程を経ても、トリハロメタンの発生量は少ない。クロロホルム(基準0.06以下)、ジブロモクロロメタン(基準0.1以下)、ブロモジクロロメタン(基準0.03以下)、ブロモホルム(基準0.09以下)は1桁以上、小さい。総トリハロメタン(基準0.1以下)も1/5くらいである。塩素処理によってTOX(Total Organic Halogen)が4〜5倍、形成されると言われている。このことを勘案しても、現在の基準に納まることになる。
原水のマンガンが高い場合がある。水道水質基準(基準)は0.05mg/lであるが、0.05mg/l程度でも赤い色が付いているのがわかる。浄水は0.001未満である。
 浄水のペーハーが7.1であると若干、小さい。酸性に傾くと、鉄錆の発生、石綿管の表面の溶解などの問題が発生する。

施設の概要
既設の緩速ろ過池が使用されている。新規の施設は急速ろ過池が採用されている。浄水量はそれぞれ210m3/日、2,530 m3/日である。緩速ろ過池は予備的な扱いとなっている。
浄水の濁度が0.5未満となっている場合があるが、クリプトスポリジウムに対しては若干の不安がある。濁度0.1以下であればよい。緩速ろ過であれば、問題ない。

平成13年12月16日
中 登史紀

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