犀川浄水場の全景 | |||
内川からの導水井 | |||
過マンガン酸カリウム消費量測定 | pHメーター | 色度/濁度計 | 高感度濁度計 |
ガスクロマトグラフ | ガスクロマトグラフ | ガスクロマトグラフ | 原子吸光度計 |
恒温器 | 農薬などの抽出器 | 農薬などの濃縮器 | 高速液体クロマトグラフィ |
犀川流域の水管理へ | Photo:2002.6.3 |
水質管理は、「法令に定められている水質検査」、「運転管理上の水質検査」がある。
法令で定められている水質検査
水道で安全な水を供給するための必要最小限の水質検査であり,規模の大小にかかわりなく、義務付けられているものである。
水道法第四条および水質基準に関する省令で水道で供給される水の水質について、第二十条で水質検査の義務、施行令施行規則第十五条で検査項目、頻度について定められている。
一日一回行う検査:色、濁り、残留塩素
一ヶ月毎に行う検査(省略不可):一般細菌、大腸菌群、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素、塩素イオン、過マンガン酸カリウム消費量、pH値、味、臭気、色度、濁度
金沢市では、基準項目(46)、快適水質項目(13)、監視項目(35)、その他(15)について20地点で、毎月、年四回、年二回、随時のいずれかの回数実施している。
運転管理上行う水質検査(浄水場の処理過程に沿って検査)
省略
濁度の計測
最も重要な検査の一つである。当浄水場の濁度の計測は、3通りある。
●高感度濁度計: 浄水処理の最後に設置されている。自動計測で中央コントロールセンターで監視している。国の暫定指針では、濁度0.1度をすすめている。このレベルであれば、クリプトスポリジウムやジアルジアに対してもほぼ安全であるということから決められたということである。
●濁度計による計測: 各地点で採水したものを濁度計で計測する。写真の機器の目盛りは、下2桁である。自動の濁度計が設置されているが、これは、再確認の意味で定期的に採水し、計測している。
●超高感度濁度計による計測: 下4桁まで計測できる。他の計器では、0.00と表示された場合、機器の故障か、あるいは実際に0.00以下まで処理されたのかわからない。濁度をシビアに観測するために導入された。市では、今日から初めて使用するとのことであった。濁度計でトップメーカーの日本電色工業(株)の製品。レーザーで粒子の数を数えて計算する。約160万円。
今日の観測。末の緩速(1.33度→0.0048度)、末の急速(1.33度→0.0036度)という結果。
アンモニア性窒素
手分析。標準物質の入った標準液(0.01mg/l)から、標準の各濃度のものをつくる(0.001mg/l,0.0003mg/l,0.0005mg/l)。サンプリングしたものと、恒温器に60分おいてから、色を比較して調べる。はっきりしない場合は、測定機器で検量線を作ってしらべる。
過マンガン酸カリウム消費量
有機物の量を調べる。1/50規定を10mg、硫酸5mlを加え、5分間、ドラフトで煮沸する。蓚酸ナトリウムで滴定して計る。
pHメーター
ガラス電極法による。昔は、比色法であった。校正液を用いて1ヶ月に1回、校正する。
アルカリ度
水に溶けているミネラル分の程度を示す。地下水は多く、表流水は小さい。表流水でも地表面をゆっくり流れる場合は多く、雪解け水のようにミネラルがとけ込む過程が少ないものは特に少ない。蒸留水のようなもので、軟水でもある。地下水はいろいろなものが溶けている。松任の地下水100、手取川40、犀川30、内川20くらい。
原子吸光光度計
フレーム型とフレームレス型の2種類がある。フレームレス型は感度がよい。フレーム型はガスを燃やす。写真の計器は、フレームレス型で、動力は200V電源である。各元素用のランプがそれぞれ異なる。写真の計器は、4元素を一辺に計測できる。重金属を3000℃の高温に熱して、光の吸収程度を計る。3300℃でクリーンアップする。キューベット(高温にするところ)は劣化する。比較的、扱いやすい計器である。計測した数値をモニターに表示/解析するソフトと計器であるハードを組み合わせて価格は約1千万円くらい。耐用年数は,計器の寿命もあるが,ソフトの寿命を考えると10年〜15年くらい。
砒素、セレン、アンチモンなどの蒸発しやすい金属は計測できない。
まず、各濃度のわかった標準溶液をつくり、光度計にかけてモニター上に検量線(横軸:濃度、縦軸:吸収量)を作る。つぎに試料の吸収量を計って、濃度を逆算する。モニター上の検量線の範囲をはみでたものは、希釈して再度、計測して濃度を逆算する。
今回は、銅、マンガン、鉄、アルミニウムを同時に計っている。今日の観測結果は、
末緩速入り口→末緩速出口
Al:0.080→0.013
Fe:0.050→0.011
Cu:0→0
Mn:0.011→0
ガスクロマトグラフィー
写真は、手前から、サンプリング装置、濃縮装置、ガスクロマトグラフィー、質量分析器、パソコンである。ヘリウムガスを使用する。価格は2千万円くらいである。トリハロメタン、農薬を計る。
ガスクロは、カラムの中で、時間の経過で見ている。重なる場合がある。この場合はガスマスでマススペクトルを見ないとわからない。
農薬の前処理装置
カートリッジに吸着させて、吸着したものを有機溶媒ヘキサンで抽出する。カートリッジタイプになってから、有機溶媒の使用量が減少した。
農薬の前処理装置
抽出したものを濃縮する機器である。
もどろうかな