あなたの町の下水道診断します

「O町公共下水道」の"技術診断" 目次

目次

1. はじめに
2. O町に適切な下水処理システムとは
3. O町の流域下水道加入のいきさつ
4. 問題点を明確にするための枝葉の切り取り
5. 浄化槽と集合処理システム(公共下水道あるいは流域下水道)
5.1 単体とシステム
5.2 個別処理と集合処理の違い
5.3 個別処理と集合処理のレベルは違う
6. いくつかの処方箋
6.1 下水道事業費のとてつもない見込み違いは面整備手法が問題
6.2 公共サービスの公平性のために個別処理と集合処理の併用
6.3 密度が低く地盤条件の悪いところでは(個別処理か集合処理か)
6.4 面整備管路の維持管理
6.5 幹線管路について

1. はじめに

平成2年(1990)に着手した「O町公共下水道」は、平成8年(1996)に完成する予定だった第1期事業が大幅に遅延した上、事業費が約3倍の152億円に膨れ上がった。誤算続きで事業の進捗に混乱が生じているという状況の中で、関係者の解決への模索が続いている状態である。その処方箋に関連して、私は当町議員から、今年の一月に既公表資料の提供と相談を受けた。流域下水道およびその関連公共下水道から派生する問題に興味があったので引き受けることにした。下水道事業は、システムの特徴から事業費規模が予想外に大きくなることが多く、自治体の財政事情が悪化する中で、問題視されることが多い。S流域下水道の関連公共下水道で実施しているO町で発生した財政的な見通しのくるいなどについて検討してみることにした。

 石川県金沢市在住の技術者であり、O町という地域の土地勘もなく、一部の資料からの下水道技術的な診断であるので、限界はあるが、種々の意見を集め、比較検討することに意義はあろう。幸い、全くの利害関係がなく、過去のいきさつにとらわれることなく、客観的な判断をくだすことができるのではないだろうか。私の"技術診断"と、委託しているコンサルタントの技術検討資料を比較することで、より的確な判断をくだすための一助になればと考えている。

以下に受領した資料をもとに、技術的に診断し、処方箋のヒントを提供することを目的にこのレポートをまとめる。

技術診断にあたって受領した資料は以下のとおりである。
【資料1】〜【資料9】省略


2. O町に適切な下水処理システムとは

 O町は人口規模が4万人弱である。O町のパンフレット(【資料7】)の「O町下水道計画図」から、町の状況を読みとれば、人口密度40人/ha以上の区域が連担し、ほぼ全人口4万人弱が集中した市街地を形作っている。都市に必要不可欠な排水処理するシステムとして、集合処理システムを採用することは、合理的な選択と考えられるだろう。山間や市街地の外縁部で集合処理が非効率と判断されるところは別として、集合処理を選択するのは下水道技術者であれば、10人中、10人がこれを採用するだろうことは間違いない。単独公共下水道あるいは流域下水道にしても、汚水を集め、終末の下水処理場で処理することが合理的な選択であろう。しかし、下水道に着手して、大きな誤算が生じ、混乱してしまったのはなぜか、その混乱を解決する方策は見つけられるのであろうか、解決が容易ではないとしたら、その混乱を最小限に留め、当初の目的を達成するためにはどうしたらよいのであろうか。

家庭などからの下水を処理する場合、一般的に集合処理する方がほとんどの場合、合理的であると考えて間違いはない。というのは、浄化槽のしくみは基本的に終末下水処理場のしくみと同じであり、浄化槽を大きくしたものが終末処理場と考えてほぼ間違いはないからである。大きくした方が効率良く、建設・維持管理ともにスケールメリットが働く。
 ともにエネルギー消費の大半である、電力消費量に着目して比較すると下記のようになる。仮に1万戸、1m3/戸とする。
項目 浄化槽 注1) 終末処理場 注2)
消費電力量(キロワット時/日) 24,000 5,000程度
注1) 100ワット程度/基×10,000基×24時間/日=24,000キロワット時/日
 浄化槽には別途、必要な汚泥処理は含まれていないので、さらにエネルギーを消費する。浄化槽で汚泥が発生しないという説明する技術者もいるが誤まりである。家庭から排出される固形物の2/3は有機物で半分は分解されずに残る。1/3の無機物と併せて、2/3が残る。浄化槽では、この残った固形物を如何に適切に搬出して処分するかが大きな問題である。浴槽の排水を一気に流したときに流出することも多い。
注2) 処理下水量=1m3/戸×10,000戸=1万トン/日
 日量1万トン規模の下水処理場の消費電力量、「下水道統計資料」より。汚泥処理も含む。
 
 O町程度の規模の下水を処理するために、浄化槽は終末処理場の5倍程度の電力を消費することになる。維持管理全般について、同様のことがいえる。この差が、スケールメリットである。流域下水道として、さらに集約するとより大きなスケールメリットが得られると考えるわけである。下水処理に関して、維持管理費用は、大きなスケールメリットが働く。


3. O町の流域下水道加入のいきさつ

もともと、O町の下水道は、S処理区に入っていなかった。金目川流域下水道あるいは単独公共下水道で計画されていた。ところが、町内で適当な処理場用地が見つからない?などの理由から、流域下水道に加入した。流域の上流にある終末処理場へ下水を送る必要があり、汚水輸送のための施設建設費・維持管理費が通常以上に要することが想像され、負担増になってもやむ得ないと判断できるところであろう。山の上に汚水を上げるようなもので輸送に金がかかる、維持にも金はかかることは予想できたろう。

県の見積りの甘さがあり、費用はかなり増高したが、流域下水道に加入すれば、処理場や幹線管路の整備や維持管理は県まかせである。ある程度の負担はやむ得ないだろう。コストが2倍に増えることは、公共事業では良い悪いは別にして、日常茶飯事である。県にゆだねてしまったのでどうしようもなく、町でコントロールできない。突然、20億円の請求書を突きつけられては大変であるが、O町の場合、これが致命的かというとそうでもないようである。

それでは、町がコントロールできる範囲の最も大きな見込み違いはと見ると、面整備費であり、ヘクタール当たりの事業費の見積り違いである。
【資料1】p.4によると、
「標準値の1,700万円/haを約2,000万円に上乗せして試算したが、現時点での管渠建設費は約5,244万円にも及んでいる」

1haあたり2000万円としていたものが、5000万円となれば、3000万円の増額である。200haとすれば、60億円の見積違いとなる。

 これをマニュアルのせいにしているような記述もあったが、これも全くのお門違いである。マニュアルはマニュアルである。マニュアルどおりに設計して事が済むなら、技術者はいらない。マニュアルどおりにならないから、技術者が存在しているのである。異なる自然環境、社会環境、地形や土質を相手にするわけであるから、一つとして同じものはない。それを判断するために、経験豊富な技術者、技術者集団であるコンサルタントに委託するわけである。コンサルタントに判断能力がなかったか、あるいは、意図的に小さく生んで後から大きくしようと考えて標準値を当てはめたおいかである(あまり、正直に大きな金額にしておくと、住民や議会、そして行政の事業着手決定の判断が遅れるから、小さい数値にしておくということは公共事業ではよくある。あってはならないことではあるが!)。

ヘクタール当たりの面整備費5000万円、人口密度を50人/ha(【資料3】p.7 第I案、計画区域697ha、人口34,700人、50人/ha)と仮定すると、1人当たりの面整備費が100万円となる。従来から、雨水・汚水を含めた全体の下水道整備が1人あたり100万円程度と言われていたことに比較すると、面整備だけで100万円は非常に大きい金額である。

面整備の金額が飛び抜けて大きいけれど、どこの町でも海に面したところで、砂地で地下水が高いという悪条件の地盤で、画一化した管渠整備が行われているとすれば、多かれ少なかれ、この程度を、大きな負担をして下水道を整備している。O町の場合、町の大半がこのような条件の悪い地域であることが不運だった面もある。仮に、O町が40万都市で、その1割ほどが海に面したところであり、そのところの面整備に莫大な費用がかかっても、全体の1割ならば、全体の事業に対する影響は比較的、軽微なものになっていたであろう。


4. 問題点を明確にするための枝葉の切り取り

流域下水道問題と言うよりも公共事業問題
まず、受領した資料のさまざまなところで流域下水道に加入したのが誤りであったというニュアンスの議論がでてくるが、O町下水道のトラブルを明確に認識するには、切り離して明確した方が、O町のトラブルの原因がはっきり見るためには有効だろう。流域下水道に関する問題点はさまざまにあるが、O町の件ではあまり、関係がないと考える。
過大な将来予測(過去の成長をもとに予測し、高度成長後の成長の鈍化を見誤る)
コストの増大(事業着手に際しては過小に見積もり、事業進行にともない、逆戻りができないことや、費用を抑えようとするインセンティブが働きにくいしくみもあって、どんどん費用が膨張する)
これらのことは、流域下水道だけの問題と言うよりも、公共事業自体に根ざした問題と思う。したがって、ここではネグレクトしたい。

集合処理が安く、個別処理が高い
また、見通しの誤り、コストの異常な膨張の結果、「集合処理は高い、個別処理は安い」という結論が導き出されてもやむ得ない面があるかもしれない。しかし、繰り返すが、家屋が集中しているところでは、「集合処理が安く、個別処理が高い」、家屋が粗であるところは「集合処理が高く、個別処理が安い」のである。(面整備費が5000万円/haなどと、莫大な費用となるのは、集水の方法に問題があるからである。緩い砂質地盤で地下水が高いと管路の埋設費用は急騰する。このような場合、いかに浅く配管するかなどの工夫が必要である。少なくとも面整備費用を1/3程度にする工夫が必要だろう。)

 「集合処理は高い、個別処理は安い」という先入観による誤解は、例えば、つぎの検討などでもうかがえる。
【資料3】p.1によると、
2.計画区域に関して三つの見直し案を作ってみる
第I案 ほぼ当初計画区域通り(697ha)として見直し案を作成する
第II案 人口密度が低い区域を合併浄化槽区域として見直し案を作成する
第III案 切り通し以西を合併浄化槽区域として見直し案を作成する
以上の三つの案について、二つの面から数値化を行って比較する。

 いろいろな検討を重ねることは事業を深く認識するために必要であるが、前提や固定観念があると、後からの結論に悪影響を及ぼす恐れ無しとはいえない。第III案を見直し案とするよりは、集合処理コストの目標値にするという意味ならば、大いに有効だろう。(下水道設計者は面整備管路などの枝線は、末端で土かぶり1mあるいは1.2m、そして勾配を数パーミリで埋設するなどと計画するのが普通である。それも普通の地盤であるならば問題はない。しかし、O町のような条件のようなところでは、側溝や水路内に沿って配管するとか、見映えや機能が若干劣ったとしても、浅く、安価にする方法を工夫すれば、haあたり2000万円以下で配管する方法はむずかしくないはずである。町や住民の懐具合と相談して公共の事業はやるべきである!)


5. 浄化槽と集合処理システム(公共下水道あるいは流域下水道)

5.1 単体とシステム
 事業を着手する時点で、システムと単体について十分な認識をしておくべきだったろう。浄化槽は単体であり、流域下水道や町公共下水道は下水道システムである。それぞれ、特徴があり、家庭下水を処理するために、有効な方法を選択すればよいのである。
 単体とシステムの特徴をつぎの表に示す。

項目 単体 システム
個別か集合か 個別下水処理 集合処理
下水道 浄化槽 公共下水道あるいは流域下水道
処理施設 各戸に処理施設 終末に処理施設
効率 個別に処理するので、建設・維持ともに効率が悪い。 まとめて処理できるので建設・維持が容易である。
機能 単体であるので、設置と同時に機能する。 システム全体が完成しないと機能しない。
途中の対応 途中で中止が簡単にできる。 途中で中断できない。中止すると、すべてが無駄になる。
見通しのくるい 見通しがくるっても、単体だから、対処が簡単である。 見通しが誤ると、全体にひびき、途中の見直しが簡単ではない。

5.2 個別処理と集合処理の違い
 浄化槽つまり個別処理と集合処理の違いは、集水施設の有無である。浄化槽の場合、集水するための管路が必要ない。集合処理の場合、集水するための管路が必要となり、この費用の比較が個別処理と集合処理のどちらが経済的に有利か不利かの議論となる所である。あらっぽい議論であるが、仮に
集合処理のスケールメリットが限りなく効果を発揮し、単位当たりの浄化槽の建設費や維持管理費についてつぎの条件が成り立つと想定する。
浄化槽の建設費 >>終末処理場(幹線管渠やポンプ場を含む)の建設費
浄化槽の維持管理費>>終末処理場(幹線管渠やポンプ場を含む)の維持管理費

 そうなると、個別処理と集合処理の有利・不利は、浄化槽と面整備費の比較でおおよその費用比較で検討できる。

1haあたり20戸(1haあたり80人程度未満)のケース
項目 浄化槽 集合処理
建設費 100(万円/基)×20(基/ha)=2000万円/ha 面整備2000万円/ha処理場、幹線整備費を比較上、著しく小さいとして無視。
維持管理費 建設費に対して1と仮定して2000万円 維持管理費を比較上、著しく小さいとして無視。
合計 4000万円 2000万円
簡略な結論 明らかに集合処理が有利だ ろう!
水洗便所の改造、宅地内配管設備費は含まず。

1haあたり10戸(1haあたり40人程度未満)のケース
項目 浄化槽 集合処理
建設費 100(万円/基)×10(基/ha)=1000万円/ha 面整備2000万円/ha処理場、幹線整備費を比較上、著しく小さいとして無視。
維持管理費 建設費に対して1と仮定して1000万円 維持管理費を比較上、著しく小さいとして無視。
合計 2000万円 2000万円
簡略な結論 この密度以下では個別処理 が有利だろう!
水洗便所の改造、宅地内配管設備費は含まず。


5.3 個別処理と集合処理のレベルは違う
処理レベルでは同一であることを前提にしているが、実際は、個別処理と終末処理場は同レベルではない。目標水質はBODでともに20mg/lであるが、次表で説明するように、内容は異なる。したがって、本来、同じレベルで比較することはできないものである。

項目 浄化槽 終末処理場
目標水質 BOD20mg/l BOD20mg/l
実際の水質 30-10 mg/l程度 20 mg/l以下
許容水質 20 mg/lを目安に運転されると、生物処理であるので変動を避けられず、30 mg/lくらいまで悪化するときがある。また、浴槽排水によって水量負荷が大きくなった場合にも悪化することが多い。 法律上、いかなる時も20 mg/l以下に保つ必要があり、そのため、処理水質をコンスタントに12-13 mg/l程度以下を保つように運転している。そうでないと、20mg/l以下を維持することはできない。
法律上の直罰規定 無し。水質保全上、限界がある。 あり。管理者が罰せられる。

 浄化槽の管理を個人にまかせるとすると、決められた水質を担保するために、法律上の厳しい規制を加えることが困難なことなど、問題が多い。また、公的なところが一元的に管理するとしても、1万基の浄化槽を終末処理場並みに管理することは事実上、不可能である。毎日の点検だけでも、1人が1日に100カ所の浄化槽を点検すると仮定すると、100人の点検員が必要となり、維持管理どころではない。

6. いくつかの処方箋

6.1 下水道事業費のとてつもない見込み違いは面整備手法が問題
 下水道事業費がとてつもなく巨大になってしまった。【資料1】p.18によると、
「696億円という額は、現在の町民人口を前提にすると、一人あたり約200万円の支出を意味しており、5人家族であれば、約1000万円にあたる支出である。」
 とあり、この原因について、詳細な分析がなされている。この分析の中で、町がコントロールできないもの(流域下水道に関すること)と町がコントロールできるものとがある。筆者が着目するのは、面整備管路の建設費である。

 下水道整備区域は下水道計画図(【資料7】)から見ると、S湾の海岸線沿いに広がっているので、地下水位が高い砂地の上に広がっていることが想像される。
【資料2】p.17によると、
「下水道工事のときに、ぐずぐずな沖積層の地盤、水っぽい地盤を固めるために地盤改良剤を使うわけですね。」
そして、【資料1】p.4によると、「現時点での管渠建設費は約5,244万円にも及んでいる」
となる。
ぐずぐずな砂地の沖積層の地盤で地下水が高いことは、管渠整備にとって最悪の条件である。普通地盤では、管路工事費が2〜6万円程度/mのところが、20万円/mにもなってしまう場合がある。このような場合の対応策で考えられることは、
安価な施工技術開発まで待機(安価な地盤改良工法が開発されるまで面整備を中止)
安価な集水システムに変更(集水管路システムの考え方を修正し、徹底的に工夫して浅く、簡易な配管を工夫)
などが考えられる。

6.2 公共サービスの公平性のために個別処理と集合処理の併用
 【資料4】P.2によれば、
 K地域の人に不公平だ
いまの状態のまま推移すると、税の使われ方でK地域の人に著しく不公平が生じることになります。現在の予測では、K地域の方々が下水道を使用できるようになるのは一番早い人で15年から20年は待たなければならないかもしれません。

 とある。町内の住民に必要最小限の公共サービスを公平に提供するという観点から見ると、時間の要素を考慮する必要がある。下水道の公共サービスを提供するスピードを加味すると、即時に効果を発揮する個別処理の方法も併用することが必要だろう。

6.3 密度が低く地盤条件の悪いところでは(個別処理か集合処理か)
 家屋が集中したところで、集合処理を行うのは効率がよいからである。効率が良くないところでは、集合処理を行うべきではないであろう。例えば、【資料5】汚水量総括表比較によると、
年間汚水量(単位千トン)比較表
家庭 工場 地下水 計
調整区域 351 − 360 711
※とくに調整区域の施設は大半が地下水のため??
 とある。処理すべき汚水よりも地下水が大きいというのは、常識的にもおかしい。これでは、欠陥集合処理システムである。密度が小さく、地下水が高いという地盤条件のところでは、集合処理の方が非効率であり、個別処理とするべきであろう。

6.4 面整備管路の維持管理
地盤の軟弱で地下水が高いところの面整備管路については、耐水性と耐震性が大きな問題となる。地下水が高いところでは、継ぎ手や取り付け管の取り付け部からの漏水が少ない塩化ビニール管を採用して耐水性を高めることが多い。この場合、地震時には、欠点となる。面整備管では通常、水が少ししか流れていないので、水による重量は小さい。塩化ビニール管本体の重量も軽い。砂地の地下水が高いところで、地震による振動が加えられると、浮力のため、管が浮上して管路全体が地上に飛び出したり、デコボコ状になりやすい。その結果、すべてやり直しを余儀なくされるだろう。
いずれにしても、砂地の水中に浮かぶ"管路システム"(本管と取り付け管の管径・方向がさまざまであり、管と管を結ぶマンホルールや桝など形状や材質もさまざまであり、かなり複雑な形態をしている!)は、漏水と地震に対する、難しい管理を迫られる。

6.5 幹線管路について
これは、県が管理する流域下水道の問題で、町は県に依存するほかないものである。若干の説明を加える。右岸の下水処理場の位置が、O町の上流に位置するので、山の上に下水をあげているようなものである。中継ポンプ場を数段階へて、終末処理場へ到達する。エネルギーの消費量は大きい。また、地震に対しても強いとは言えない。途中の一カ所でも壊れると機能しなくなる。地盤の軟弱な、地下水の高いところに下水管を布設することになるので、地下水の浸入も問題となる。ただし、面整備管と異なり、取り付け管などはなく、耐水性を高める工夫は取りやすい。
 

 

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