平成13年7月13日
マスコミ関係各位 殿
                               金沢市小立野3−12−28
                               (技術士) 中 登史紀(54)

遊休開発水量/遊休ダム貯水池に関する公開質問と公開提案に関する金沢市の回答について

 「辰巳ダム」に関連して、金沢市長山出保および金沢市企業局長小泉賢一宛に平成13年5月9日、提出した公開質問状および公開提案書に対する回答 (PDF)を7月12日、市役所3階町づくり専門員室で、企画調整課長および企業局行総務課長より受領いたしましたのでご案内もうしあげます。
 ちなみに、5月9日に提出した公開質問状および公開提案書は以下のとおりです。

  金沢市長 山出保宛の公開質問状:「昭和40年度に犀川ダムで開発した工業用水3万2千m3/日について―35年間、未利用。ダム貯水池の207万m3が遊休化。―」
  金沢市長 山出保宛の公開提案書:「提案:開発した工業用水の河川維持用水(流水の正常な機能の維持用水)への転用」(昭和40年度に犀川ダムで開発した工業用水3万2千m3/日は35年間、未利用。ダム貯水池の207万m3が遊休化。)
 金沢市企業局長 小泉賢一宛の公開質問状:「昭和40年度に犀川ダムで開発した上水10万5千m3/日、昭和48年度に内川ダムで開発した上水10万m3/日について―1日あたり約10万m3が未利用。ダム貯水池約450万m3が遊休化。―」

回答は、金沢市長名1通、金沢市公営企業管理者名1通である。写しを添付する。

質問者の感想
(金沢市長回答の工業用水について)
 未利用の工業用水に関しては、日量3万2千トンの具体的な活用努力について尋ねたにもかかわらず、漠然と、企業誘致や工業団地を進めてきたこと、今年度においても取り組んでいくことを回答しているだけで、具体的に回答しない理由についての記述も無く、全く回答になっていない。
未利用の工業用水の転用に関する提案についても、「貴重な権利」であり、「維持すべきもの」と考えていると回答している。しかし、今まで未利用であり、今後も利用する見通しがあるという根拠を明らかにしていないので無価値なのか、貴重なのか判断できない。にもかかわらず、貴重であると主張するのは、単なる独断と偏見といわざるを得ない。
(金沢市公営企業管理者回答の上水の水余りについて)
数値を解析して明らかな水余り状況を懇切に説明したにもかかわらず、数的な根拠をしめすことなく、「過去の渇水経験及び水道施設の稼動率の実績から、これを余剰と判断しておらず」との現状認識を示した。これでは、現状がOKであり、今後とも特別な対応が必要でなく、適正であるということになる。末および犀川浄水場の稼動率が半分であるなどの施設の遊休化もかかわらず、このような実態無視の回答を看過するわけにはいかない。

質問者の今後の対応
(工業用水について)
 35年間、未利用にあるにもかかわらず、「貴重だ」、「転用も考えない」と強弁しての問題の先送りは許されないので、実際の活用努力をしているのかどうか、12,13日、情報公開請求によって調べることにした。

「過去10年間、将来10年間の金沢市全体の工業開発に必要な工業用水の水源と水量にかかわる文書」
 → 日量3万2千トンの工業用水の活用努力を確認するためである。担当部署は工業振興課である。

「犀川ダムで開発した工業用水にかかる、過去35年間のダム管理費の支出を記録した文書」
 → 市側の説明では、年間約800万円程度、工業用水にかかるダム管理費は一般会計で処理されているという。本来、工業用水の費用は、利用者が負担するべきものであって、住民の税金があてられているとすれば、違法な支出にあたることが考えられる。(なぜ、自分が支払った税金が全く関係のない、工業用水のために支出されるのか?)住民監査請求をするつもりである。問題の先送りでは市民は無駄な支出をしいられ続けることになる。

(上水道について)
 企業局の現状把握に問題があるので、これを質すための根拠である、現状を反映している数的なデータを整理することにした。以下の文書を13日、情報公開請求した。

 「『金沢市水道事業新構想』P13のグラフ「人口及び給水量」の数的根拠を記述した文書」
「過去の上水道基本計画に関して記述したすべての文書」
→ 上水道を整備するに当たって当初、考えていた「余剰で無い程度」とはいかなるものであり、現在の「余剰で無い程度」と比較して妥当なのかをダム貯水池、浄水場について調べる。 

 「犀川および内川ダム貯水量の1年間の日変化を記録した文書  (1)平成12年1月〜12月、  (2)過去最大の渇水年の1年間」
「末および犀川浄水場の1年間の毎日の上水処理量を記録した文書 (1)平成12年1月〜12月、  (2)過去最大の渇水年の1年間 (3)過去最大の使用量を記録した1年間」
 「末および犀川浄水場の建設費および過去すべての毎年の維持管理費を記録した文書」
 「犀川および内川ダムで開発した、上水道にかかる、過去すべてのダム管理費用を記録した文書」
→ 上水施設が稼動が度の程度であり、適正なものか調べる。

以上