シリアだより(風土編)
シリアだより(風土編)
シリアの自然環境は、大きく4つの地域に分けることができます。
・地中海に面した海岸地帯
・海岸地帯に平行して南北に走る山脈とその山脈からの水に恵まれている地域(ダマスカスやアレッポなど主たる都市を含む。)
・その西側の北の部分でほとんど草しかはえていないステップ地域
・西側の南の部分で砂漠地域
に分けられます。
ほとんどの国民は海岸地帯と南北に走る山脈の麓にはりついています。
北半球に位置して緯度が日本と同じくらいですので気候は日本と似ています。首都ダマスカスの年平均気温は16℃程度です。違うのは、気温の差が大きいことです。夜と昼との気温差は平均15℃以上と大きく、夏は最高気温が40℃を超えることがあり、冬の最低気温は0℃を下回ることがあります。この理由は、日本はまわりを海に囲まれていて大きい熱容量のため温度の変動が少ないためであり、当地はまわりをほとんど陸地に囲まれているからでしょう。湿度も低く乾燥しています。暑い割に過し易い感じがします。
4月の下旬まで肌寒い感じでしたが、5月に入り、暑くなりました。乾燥しているので汗はあまりかきませんが、発汗作用は盛んに行っているようで、汗をかいた後のだるさは残ります。
当地での6週間の滞在中、雨は、1回だけありました。毎日がよい天気です。ダマスの年間の雨量は200mmほどで、冬に少し降ります。カリフォルニアのロスと同じくらいです。5月から10月にかけて晴天が続き、日中は非常に暑くなり、陽射しはかなり強い。夕方は涼しくなります。
ダマスカス(海抜600mくらい)の西のあるアンチレバノン山脈(2000mを超える山がある)には1600mmほど(東京は1400mm)の雨や雪がありますので、これによって供給されたスプリング(市街地から10数キロのところに大きなスプリングが2つある。)から良質で大量の水が噴出するスプリングがあり、これがダマスカスの水道水源にもなり、かんがい用水にもなっています。昔から水が豊富であったこともダマスカスが大きな商業都市として発展した理由の一つでしょう。