金沢の渇水を考えるNo.1
犀川の利水●ソフトによる解決策――工業用水、上水のために開発された貯水池の活用――
石川県では,平成14年10月以来、約半年にわたり、犀川水系河川整備基本方針をまとめるため、犀川水系河川整備検討委員会で議論が続けられてきた。筆者も傍聴者の一人として参加し、文書によって、委員会開催の都度、申入書、意見書、公開質問書などの形で考えを提起してきた。筆者の問題提起について若干の答えらしき報告はあるが、疑問についての議論がほとんどないままに委員会が進められ、6月10日には、早くも基本方針をまとめるための委員会開催となった。 「犀川水系河川整備検討委員会設置趣意」には、「委員会での議論を通じ、県民への十分な説明と理解を求めていきたい。」とある。利水に関して、筆者が提起した問題点についてコメントはない。十分な説明とは、ほど遠く、石川県の提示する案を全く理解できない状況である。 従来からも明らかであるが、利水に関しては、解決策は簡単である。日本全体の利水計画に関して改善の兆しはあるが! 現在の最大の問題は、議会のチェック機能不全。 行政にお任せでは改善の歩みは亀である。自分で自分を変えることは難しい! |
●ソフトによる解決策――工業用水、上水のために開発された貯水池の活用―― 県は利水の検討の結論として、「不足する容量は、235万m3」「新たな貯水容量が必要」と結んでいる。かんがい用水については実態を調査して見直したことは評価できるが、工業用水と上水については見直していない。 造ることで不足を補おうとする発想から脱し切れていない。日本国土が荒廃し、とにかく社会資本整備をしなければならなかった時代の、時代錯誤の思考である。十分すぎるほどに造ってしまった施設の活用をいかに考えるかというソフトの対策でほとんどのことは解決する。この利水に関しては、その典型である。 工業用水については、207万m3(犀川ダム)、上水については510万m3のダム貯水容量(犀川/内川両ダムの合計)、合計717万m3のダム貯水容量が活用されていない。ほぼ内川ダム1個分に相当する。 ソフトの対応で明日にでも簡単に解決できる! |
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