金沢洪水える 30
by Toshiki NAKA



内川ダムの上水ダム容量410万m3相当が未利用で余っている!

――新辰巳ダム不要の根拠(利水に関して)――

金沢市の上水は手取川より受水しているので内川ダム上水容量410万m3相当がまるまる余っている。今回、県は上水については見直さなかった。県は、工業用水、農業用水、河川維持用水について見直し、その総利水容量を316万m3から105万m3拡大し、421万m3とした。だが、上水について見直し、余剰の410万m3を活用すれば、利水問題は解決する。
(犀川の利水に関するダム容量の見直し)
 平成15年度犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)犀川水系河川整備計画業務における、石川県の利水に関する見直しの一覧をつぎに示す。

 今回の利水に関するダム貯留容量の見直し一覧表                        単位:万m3

 

現状

新計画

備考

犀川ダム

内川ダム

小計

犀川ダム

内川ダム

小計

 

工業用水

207

0

207

0

0

0

207

かんがい

59

0

59

59

0

59

変わらず

河川維持

0

50

50

152

210

362

312

小計

266

50

316

211

210

421

105

上水

499

410

909

499

410

909

変わらず

765

460

1,225

710

620

1,330

105


(見直しによる純増はわずか105万m3)
 今回、石川県は、工業用水分207万m3の使用目的を河川維持用水に変更し、河川維持用水分をさらに105万m3増やした。かんがい分59万m3は変更なし。その結果、利水目的のダム容量は、工業用水分0、かんがい59万m3、河川維持用水分362万m3、計421万m3となった。実質、105万m3を純増させているに過ぎない。

(上水を見直せば410万m3の活用ができる!)
 今回、見直さなかった上水は、金沢市の水需要がここ20年の間、横ばい傾向にあり、昭和55年から手取川ダムから受水していることもあり、犀川で開発した水の半分しか利用していない。その結果、内川ダムの上水ダム容量410万m3相当がまるまる余っている。これを活用すれば犀川の利水問題は解決する。施設を造るハード対策は費用がかかるが、未利用水利を活用するソフト対策であれば費用ゼロで問題は解決する
                                               平成17年6月19日
                                                    中 登史紀
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