金沢の洪水を考える 27
by Toshiki NAKA
ダムは維持管理費用が嵩む!
――犀川ダム、内川ダムの100年間のダム管理費用はあわせておおよそ250億円!――
《治水目的のダムは建設コストに加えて毎年の管理コストが永遠に必要となるのに対して、河川拡幅は建設コストだけで済み、毎年の維持管理コストは不要である!》 |
(2カ所のダム) 犀川には比較的規模の大きなダムが2カ所ある。犀川ダム、内川ダムと称し、それぞれの総貯水量は、1430万m3、950万m3である。ダム管理事務所があり、それぞれ数名の人員が常駐して、ダムの監視、施設の維持管理にあたっている。 (犀川ダムは38年、内川ダムは29年経過) 犀川ダムは昭和41年3月(1966年)に完成し、38年経過している。内川ダムは昭和50年3月(1975年)に完成し、29年経過している。 (維持管理費と修繕改良費) ダムの機能を発揮させるために、毎年の管理費用を必要とする。その費用は、ダムを監視し運転するための「維持管理費」とダム機能を維持するための「修繕改良費」からなる。 (犀川ダムは年1.29億円) 犀川ダムの過去10年間(平成6〜15年)の維持管理費、修繕改良費は、6.4億円、6.5億円、合計12.9億円である。1年あたり1.29億円として38年間で総費用は49億円となる。 (内川ダムは年1.24億円) 内川ダムの過去10年間(平成6〜15年)の維持管理費、修繕改良費は、6.1億円、6.3億円、合計12.4億円である。1年あたり1.24億円として29年間で総費用は36億円となる。 (2カ所で100年の累計は250億円) 100年間の推定総費用は、犀川ダム129億円、内川ダム124億円となる。ダム1カ所あたり約130億円、2カ所で約250億円の費用がかかる。 (永久に支払い続ける!) この管理費用はダムが存在する限り、永久に支払い続けねばならない。ダムを水ガメとして使用する利水目的はこれ以外の方法がほとんど無いのでやむをえないが、治水については注意が必要である。治水目的のダムは建設コストに加えて毎年の管理コストが永遠に必要となるのに対して、河川拡幅は建設コストだけで済み、毎年の維持管理コストは不要である(拡幅分について若干の管理は必要であるが無視できる)。 添付データ(エクセル表) (表1) 犀川ダム/内川ダムの過去10年間の管理費用 (表2) 犀川ダム/内川ダムの維持管理費集計表 (表3) 犀川ダム/内川ダムの修繕/改良費集計表 (注:石川県行政情報公開担当者によれば、維持管理費用に関する文書は文書管理規定で保存年限5年とされ、廃棄されているのでこれ以前の過去の記録はないとのことである。) |
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