犀川雪見橋は税金の無駄遣いか!

 交通量に比べて著しく幅が広い犀川雪見橋ができて、さらに近くに同じような上菊橋ができた。橋の上で集会か、花火見物か、あるいは、運動会でもしようというのか。

 橋がなかったところに道路幅の広い大きな「犀川雪見橋」ができた。そして、まもなく、下流に隣接する古い「上菊橋」が架け替えられて新しくなったが、これもかなり幅広い橋となった。立派な橋を架けるのはいいが、ちょっと立派すぎないか。少し、気になったので、金沢市に情報公開請求をして調べてみた。

 金沢市の広報広聴課では、平成3年以前(1991年)の文書は金沢市の公開条例成立以前で対象にならないが、あれば「情報提供」ということで対応できるとのことであった。橋の事業の検討をした文書の作成年次がわからないので、条例にもとづく「情報公開請求」ではなく、市民の疑問に答える行政サービスのかたちとしての「情報提供」でお願いした。

 雪見橋をはさんで上流の大桑橋、下流の上菊橋について、「工期、事業費等を記載した調査設計業務委託報告書、交通量予測などによって橋幅を決めた理由を記載した文書」の提供をお願いした。

 その結果は、雪見橋については、橋の諸元を記載したA4一枚の表、上菊橋については、A4で4ページのパンフレット、大桑橋は県が築造したもので文書は無いとのことであった。
あまりに少ない情報に唖然であった。橋の構造にかかわるものは改修などに備えた永久保存の必要があると思われるので、残されていないはずはないので捜せば必ずあるはずである。今回は、「情報提供」ということで法的な権利として追及できないのでひとまず矛をおさめることにした。いずれにしても、文書管理は不備のようである。

 公開された資料によれば、「犀川雪見橋」は1999年、15年前に完成した。事業費は、13億円。3mの歩道が両側にあり、真ん中に9mの車道、全幅員16m。その6年後の2005年に「上菊橋」が架け替えられた。これも13億円。4.5mの歩道が両側にあり、真ん中に7mの車道、全幅員16mと雪見橋と同じである。

左岸の端から犀川雪見橋を望む


左岸の端から上菊橋を望む


 いずれも昼間というのに、人も車もほとんど通っていない。
朝夕は少し、通行量が多いので、雪見橋で2月19日の夕方に10分間の車の交通量を調べてみた。それでも1時間にすると200台ほどである。

 前後に接続する道路の交通量からしてもいかにも橋の幅は広い。感覚的には、無駄だ。かといって、周辺住民の生活のための必要最小限の利便のためになくてはならないということになると、経済性だけで無駄とはいえない。公共事業の是非の判断のむずかしいところである。

 参考に簡単な試算をしてみる。
 事業費13億円を金沢市民43万人で割ると、一人あたり3千円となる。大した負担でないように思える。
生活に必要という点で考えると、金沢市民全体で割るのはいかにも適切ではない。金沢市民全体とするのではなく、橋の周辺で生活し、日常的に利用する人達を対象に限定することが適切だろう。だから、事業費13億円はその橋の近くに居住する住民の数で割ることにしてみる。犀川には、雪見橋を含めて22本(河川占用届け済み、ほかに数本の橋がある)が架けられている。雪見橋の周辺に居住する住民数は、43万÷22=2万人となる。13億円を2万人で割ると一人当たり6万5千円となる。1世帯4人とすると、一世帯あたり26万円となる。かなり大きな金額である。無駄遣いはするなといいたくならないだろうか。

 いずれにしても、税金で造るものである。税金とはどうしても必要だからと、強制して集めてくるものであり、これなら税金を出してもいいとみんなが納得できるというものでなければならない。

2014.1.19

金沢市情報提供 犀川雪見橋諸元
金沢市情報提供 上菊橋パンフレット


 

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