平成23年度石川県公共事業再評価について

 

平成23年度石川県公共事業再評価の対象は、道路建設が1件、港湾改良が2件の合計3件である。再評価対象事業一覧、評価監視委員会の意見具申、委員会議事録は、つぎのURLへアクセスすればわかる。

 http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kanri/h23hyouka.html

事業の内容、進捗状況、時間がかかっている理由などの資料は掲載されていない。要するに、議事録の内容のほかは、「事業継続」の結論だけが掲載されているだけである。

 

委員会の議論の内容を積極的に石川県県民に広く知ってもらおうという意欲は乏しい。石川県の公共事業の学識経験者による再評価が行われるようになったのは、平成10年からですでに14年が経過してマンネリ化、儀式化しているようでもある。平成23年度の委員会の傍聴をしようと何回か土木部監理課へ問い合わせたが、「日程が決まっていない」という返事が返ってきた。委員の都合で急遽決定されるようで2回の委員会はいずれも傍聴が果たせなかった。学識経験者の委員会は「公共事業の効率性及びその実施過程の透明性のいっそうの向上を図るため」のものであり、広く県民に周知し、参加をうながすべきものではないか。事前の広報もなく、事後に委員会の資料や議事録を請求してもなかなかでてこない。担当者に「委員会が有名無実化して効果がないようなら止めるべきだ。今後も再評価をやるのならもっと積極的に県民に周知するべきだ。」などと言ってみたりしてやっとのことで、委員会提示資料の電子ファイルを入手した。

 

公共事業の無駄遣いを非難されることが多いので、ことのほか経費節減、コスト削減に努めているという説明が強調される。ところが、実際には何もコスト縮減になっていないにもかかわらず、縮減されたかのような役所の論理に誤魔化されることが多い。つぎの話はその好例である。

平成23年度第1回石川県公共事業評価監視委員会配布資料の道路建設の「コスト縮減の状況」の項に「建設発生土(港湾浚渫土砂)を盛土材に転用し、事業費を約5億円(およそ1割)縮減した。」とある。

議事録によれば、委員の質問、県当局の答えは以下のとおりである。

 

(高山委員):、、経費縮減、コスト縮減を最初の事業では5億円、、、、、当初の事業費が52億円、5億円縮減したのなら、全体事業費が下がるのではないかと思うのですけど、その辺の説明がないので、本当に下がっているのか、下がっていないのか、よく分からないので、コスト縮減について、追加の説明をお願いします。

(県当局):、、、金沢港の港湾の浚渫土砂が、先ほど現場へ行っていただいたときに、コマツの工場が建っていた、あそこに浚渫土砂がたくさん堆積されていたという状況がございます。このうち、シルト系のものとか砂質系のものが、当然混じっておりましたので、砂質系のものを選択して盛土材として適用出来るというもののみを盛土材として現地のほうへ運搬をさせていただいた、という計画の中で、もう既に盛り込んで運んでいったというような状況になってございまして、5億円と言いますのは、購入土に比べて、運搬と購入土との単価差が約2,000円/?と試算してございまして、これによりまして約24万?の土を動かすということを現場の方として計画したということで、約5億円の縮減ということでございます。これにつきましては、そういう計画を事前の中に盛り込んで実施させていただいたということでございます。、、、、

 

 県の答えを一言で要約すると、「手元にあった材料を使ったので買わなくて済んだ」というものである。買えば5億円掛かるが買わなくて済んだので5億円節約できたということらしいが、買う必要はなかったのであり、節約したわけではなく、もともと要らない費用である。

 

 時間のある方は、以下の公開を受けた資料を見て頭の体操でもしてください。(^_^;)

 平成23年度第1回石川県公共事業評価監視委員会 配布資料

 平成23年度第2回石川県公共事業評価監視委員会 配布資料

 平成23年度第1回公共事業評価監視委員会 議事録

 平成23年度第2回公共事業評価監視委員会 議事録

 平成23年度公共事業評価監視委員会 意見具申


 

辰巳ダムのトップページへ