∀∂∀∂∀∂北河内ダムを考える∀∂∀∂∀∂

 No.5:地すべり対策工の費用
  パンフレットでは、ダムは治水、利水、環境のためにたいへん役に立つものであると説明されているが、マイナス面もたいへん多い。
 川の水の量、質を変化させる弊害、川の水に含まれている土砂にかかわる弊害、水を貯めることによる弊害、貯めた水がまわりに浸透することによる弊害、維持管理や補修などの費用、たいてい無視されているが寿命が尽きた後の処分費用などである。
 このうち、貯めた水がまわりに浸透することによる弊害のひとつが地すべりである。地層が成り立つ段階で出来た、泥などの弱い層を挟んでいるとこの層の上に載った土塊の安定が崩れて土塊全体が移動することがあるが地すべりといわれるものである。ダム湖に湛水すると、湛水した水が周辺の地山に浸透して斜面の土塊がなにがしか不安定になる。安定の限界を超えると地すべりが起きる。
 北河内ダム周辺で8カ所の地すべり地形(外観から判断して過去にすべったことを疑わせる場所)があり、5カ所について湛水による影響があるものとして検討された。結局、4カ所について必要な対策工が実施された。
対象となった土塊は、小規模(土塊量3万立方メートル未満)あるいはこれを少し超える中規模である。抑え盛土工と排土工が主でアンカー工が補完的に採用されている。
 石川県支出負担行為票(平成12年度〜平成21年度)の測量試験費と地すべり対策工事費を抽出したものから、各地区ごとに集計すると、1地区あたり対策工費用は、約1億円から2億円程度となっている(別紙1)。
平成13年度の検討(別紙2)では、いずれも地区当たり数千万円の費用と見積もっていたものである。この見積もりよりもいずれも2倍以上に増大している。このような一見杜撰な検討は普通に行われ、担当者はまったく疑問をもたない。
 その理由は、担当者に尋ねなくてもわかる。当方も現役のときに似たような検討をやっていたからである。最初の平成13年度の検討は、他の工法と比較して最も安価な工法を選択するために試算するものであり、工法間の差がわかればよいという性質のものである、工法を選択した後で、実際にかかる費用は、地質などを詳細に調べて精確に計算して最終的に求めた平成21年度時点の金額が精確な工費である、と考えるのである。見積もりと実際の費用と大きく異なっても、きちんと手続きを踏んでいるのであり、特に問題はないと考える。ところが、これはよく考えなくても変であることは、中学生でもわかる。
 これを交通手段に例えていうとつぎのようになる。金沢から東京へ行くための費用を飛行機ならば3万円、鉄道ならば2万円、バスならば1万円と仮定しよう。最も安価な手段はバスであるから、ここでは経済的な面から、バスに決めることにしよう。バスに決めた後で、普通の高速バスでは快適さや食事などの問題があるので特別仕様の超高級バスで4万円もかかったというようなものである。
 地すべり対策工の費用は、4カ所で約5億円である。辰巳ダムでは、中規模地すべりブロック4カ所合計の地すべり防止の抑え盛土工がわずか32百万円。この5億円が超高級バスでなければよいが(-_-;)。
 2011Dec6,naka
【参考文献】
「平成13年度町野川総合開発事業(設計)業務委託報告書 第1編:基本設計会議資料」 平成14年3月 石川県
「平成21年度北河内ダム 基本設計会議資料 参考資料(試験湛水)」(平成21年11 月10 日)石 川 県
石川県支出負担行為票(平成12年度〜平成21年度)
 (掲載2011.12.6)
 ワードファイル(本文)、 エクセルファイル(別紙1)、 エクセルファイル(別紙2)




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