末浄水場のマンガン障害について

 平成13年10月2日、企業局会議室で、水質課の中本さん、水管理課の中山さんから、行政情報公開サービスの形式で、犀川ダムのマンガン障害に関する話をうかがった。

 犀川ダムが昭和41年3月に完成し、末浄水場へ上水の供給が開始された。昭和42年に水質担当を2名採用して、水質を検査するようになった。昭和43年〜昭和48年の犀川ダム湖の水質試験成績書によると、湖水中のマンガン濃度は以下のとおりである。
 ●犀川ダムの湖水中のマンガン濃度は、おおむね0.1mg/l以下であるが、季節と深度によっては0.3〜0.6m/lと大きくなり、最大1.30mg/lとなっている。
 ●春は湖水の全体に渡り、マンガン濃度が低いが、秋は湖水の深いところでマンガン濃度が大きい傾向がある。水が停滞し水温があがることによって酸素濃度が小さくなり、還元状態でマンガンが底部の泥から溶出するものと見られる。

 水道水質基準(旧基準)は0.3mg/lであるが、0.05mg/l程度でも赤い色が付いているのがわかる。健康の害はないが、飲料水の見栄えがわるい。また、洗濯物にも色をつける。ちなみに、新基準は0.05mg/lである。

 浄水場運転開始時は、マンガンを処理する方法が確立されていなかったの困った。まもなく、昭和40年代の中ごろから、塩素処理による方法が確立され、マンガンを除去することができるようになり、処理水は0.001mg/l未満になった。

 最初は、前塩素処理をしていたが、塩素が原水中の有機物と反応して多くの発癌物質を含むトリハロメタン類が発生することがわかったので、発生量が少なくなるように「ろ過池」の前で塩素を注入する「中塩素処理」を採用するようになった。
 
 また、当初の検査方法の分析感度は0.05mg/lであった。熟練した人であれば、0.01mg/l程度まで判別することができたとのことである。現在は、原子吸光法で0.001mg/lをはっきりと計測できる。

 内川ダムに比較して、犀川ダムの水にマンガンが多いのは土壌の違いが影響しているらしい。上流の倉谷では、金が採掘が行われていた。

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