石川県内には、12ヶ所の治水ダムがあり、管理中である。奥能登地区には、3つ目の北河内ダムが平成22年5月より、運用開始している。
能登地区3ダムの諸元は以下のとおりである。
名称
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小屋ダム
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八ヶ川ダム
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北河内ダム
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所在地
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珠洲市宝立町
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輪島市門前町
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能登町
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工期
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S.48.4〜H.5.3
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S.54.4〜H.7.3
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H.3.4〜H.22.4
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供用年数(H28現在)
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23年
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21年
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6年
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総事業費
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189億円
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118億円
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178億円
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目的
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洪水、かんがい、上水、発電
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洪水、かんがい、上水、工業用水
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洪水、かんがい、上水
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総貯水量
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305万立方メートル
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313万立方メートル
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286万立方メートル
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有効貯水量
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270万立方メートル
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287万立方メートル
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259万立方メートル
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ダム型式
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ロックフィルダム
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重力式コンクリートダム
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重力式コンクリートダム
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ダム堤高
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56.5メートル
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52メートル
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47メートル
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各ダムの諸元の出所:
八ヶ川ダム http://www.pref.ishikawa.jp/kasen/ishikawa-dam/dams/hakka.html
小屋ダム http://www.pref.ishikawa.jp/kasen/ishikawa-dam/dams/oya.html
北河内ダム
http://www.pref.ishikawa.jp/kasen/ishikawa-dam/kitakawachi/kitakawachi_shogen.html
いずれも、多目的ダムであるが、主たる目的は「洪水調節」である。
以下のとおり、いずれのダムも流域面積は、約10平方キロメートル、洪水量はおおよそ10立方メートル毎秒以上である。
名称
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小屋ダム
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八ヶ川ダム
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北河内ダム
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流域面積
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12.8km2
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10.4km2
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10.6km2
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洪水量
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15.0m3/秒以上
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10.0m3/秒以上
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10.0m3/秒以上
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毎年のダム管理費および修繕・改良費は以下のとおりである。
毎年、おおよそ4千万円の費用が掛かっている。ほとんどが洪水調節に関わる費用であり、石川県が負担している。ただし、上水、かんがいなどに関わる費用については地方自治体が負担している。北河内ダムの例では、かんがい、上水の目的もあるが、建設負担金の割合は1%である。
名称
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小屋ダム
(百万円)
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八ヶ川ダム
(百万円)
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北河内ダム
(百万円)
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毎年のダム管理費用
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43
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42
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38
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修繕・改良費(不定期の大規模修繕費)
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−
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115
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−
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上記数値の根拠は、石川県河川課「ダム管理費予算調書」、「奥能登土木総合事務所支出命令票」などによる。
表1− 奥能登地区小規模ダムの管理費および修繕・改良費(大規模修繕費)
表2− 毎年のダム管理費と修繕・改良費集計(小屋ダム、八ヶ川ダムおよび北河内ダム)
表3− 毎年の維持管理費内訳集計(小屋ダム、八ヶ川ダムおよび北河内ダム)
表4− 修繕・改良費(八ヶ川ダム)
●毎年のダム管理費用評価のための簡単な思考(北河内ダムの例)
当方の居住地から4km弱のところに北河内ダムがある。
町野川流域全体の流域面積168km2(河口の天神橋基準点)に対して、北河内ダムの流域面積は10km2で10分の1以下であり、天神橋基準点における洪水調節機能はほとんど効果がないが、中流の柳田地区は流域面積に占める北河内ダム流域面積の割合は3割程度と大きいので洪水調節効果は期待できる。
ダムがまだ存在していない平成10年の台風7号でかなりの浸水被害が発生した。ダム地点の下流3〜5km付近(野田、石井)で河道から氾濫しておおよそ14億円の被害があった(『柳田村 30年のあゆみ』石川県柳田村,p.63)。
ダムで洪水調節をしていたならば、被害がゼロだったと仮定する。37年まえの昭和33年以来の大水害だということだから、40年に一度、大きな水害が発生するとして、その際の被害額を14億円とすれば、100年間で35億円に相当する。簡単に1年あたりに換算すると35百万円となるが、北河内ダムの毎年のダム管理費38百万円に近似する。
【資料】(平成10年の)台風7号で記録的な大水害(『柳田村 30年のあゆみ』石川県柳田村,p.63より)
「台風7号が9月22日夕、石川県内を襲い、1時間雨量が各地で観測史上最高を記録する「雨台風」となり、生活や産業に深刻な被害をもたらした。柳田村でも、午後8時からの1時間に41mmの雨を記録し、総雨量は99mmに達した。ただちに役場に対策本部が設置され、野田、笹川の一部に避難勧告が出された。町野川の増水で100世帯を超える家屋が浸水するとともに、収穫間近の水田や畑に泥流が流れ込むなどの被害額は14億円に上り、昭和33年以来の記録的な大水害となった。
柳田役場前では、増水した川から道路などに押し寄せる濁流がひざ上までに達した。」
本文のpdfファイル→クリック
2016.7.27,naka
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